カレーやチャイなどでお馴染みの「クローブ」。
バニラのような甘い香りが特徴的で、今では世界中に浸透しているスパイスです。
アーユルヴェーダの古典医学書である「チャラカ・サンヒター」の中にも「クローブ」はでてきます。
「クローブ」は、香辛料としてだけではなく、さまざまな効果を発揮してくれる、万能スパイスのひとつ。
胃腸のはたらきを高める作用もあるため、消化不良の時や、風邪・せき・喘息・吐き気のときなどにも使われますし、その抗菌・鎮痛効果から、歯痛や歯肉炎のケアとしてそのまま噛んだり、媚薬としても使用されていたそうです。
ヨーロッパでは、金と同等の価値として扱われていた時代もあったそうですから、重宝されていたことがよくわかります。
また口臭防止や、昔から口を清める効果もあったため、日本では写経を行う際に、クローブを奥歯で噛みしめて、口の中を清めながら行っていたり、中国では臣下が皇帝の前に出るときには、身を清めるためにクローブを口に含んでという記録もあるそうです。
今では簡単に手に入りますから、食後の口臭予防やお口をスッキリさせるために「クローブ」、良いですね!
普段から持ち歩いて、食後にさりげなくバッグからクローブを出して、1粒噛むなんて素敵です!
口臭を気にしている方は、1日2回、クローブを1~2個噛んでください。
殺菌、消炎効果もありますから、歯茎の痛みや、咳が止まらない時には、1晩クローブを浸した水でうがいを。
またクローブは、実は虫の忌避効果もある優れたスパイス。
クローブの持つ、独特の甘い香りの主成分「オイゲノール」は、この香りを苦手とする虫を近寄らせない、天然の虫よけ効果があります。
ゴキブリ除けにはよく使われるようで、方法は簡単。
クローブをそのままゴキブリの出やすい通路に置いておくだけ。
お皿などに盛って、そのまま置いても良いですし、ネットなどに入れて置いておくこともオススメ。
クローブのアロマエッセンスも売っていますから、そちらを焚いても虫よけになります。
また、クローブの虫よけスプレーをつくれば外に持ち運びもできますし、夏の今の時期はオススメです。
つくり方はとっても簡単。
【虫よけクローブ・スプレー】
・クローブ 50g
・無水エタノール 250ml
(手作り化粧水などに使われるもの)
ガラス容器にクローブを入れて、無水エタノールを入れて、1週間置いておきます。
色が薄くついたら完成。
エタノール用スプレー容器に移し替えて、使います。
匂いが強いですから、直接肌にはつけず、網戸にふきかけたり、空気中に撒いて使用することをオススメします。
クローブ、昔から重宝されてきた万能スパイスのひとつ。
シナモンやカルダモン、しょうがやこしょうなどと同じくらい、身近なスパイスとして、生活の中に取り入れてみませんか。
【コラム筆者】
アーユルヴェーダ専門サロン・MyCocoon 岸川杏子さん
(アーユルヴェーダ専門サロン MyCocoon)
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