~ 宇宙のリズムとわたしのリズム(朝日を浴びる) ~
何不自由のない生活をしていると、私たちは自然の中で生活していることを忘れがちです。
太陽の光、月のリズム、日々の天気や気温、湿度の変化など。
自然は常に変化しリズムを刻み、私たちに大きな影響を与えています。
そして、自然のリズムに影響されながら、私たち自身もリズム(概日リズム)を刻んでいます。
アーユルヴェーダにおいては、生命のリズムを整えることが、より良い人生のためにとても大切と考えます。
アーユルヴェーダの生活法では、日の出96分前の「ブラフミムフールタ」(コスミックインテリジェンス)の時間に起きることを推奨しています。
この時間は私たちのこころと体に調和をもたらす、ポジティブなバイブレーションに満ち溢れていると考えられているからです。
また、ヴァータ(ドーシャ理論)の影響が強い時間と考えられ、この時間に起きることで動きのエネルギーである「ヴァータ」を活性化させることができ、血液の循環を高め、爽やかに1日を過ごすことを可能にしてくれると言われます。
そして、朝日を浴びることは、生き物としてとても重要で、この朝の光によって私たちは概日リズムを整えています。
(先天的に目の不自由な男性の話)
その男性は、睡眠リズムが周期的に崩れるため何年も苦しんでいた。
その為、彼の生理学的機能(脳波・ホルモン・体内活動等)をかなりの日数をかけて調べた。
すると、体温や睡眠パターンに「24.8時間」という周期があることがわかった。
太陽の1日のリズムは24時間。
月の1日のリズムは24.8時間。
さらに、彼の睡眠時間は、実験が行われた地域の干潮時間とぴったり一致していたという。
この男性は月のリズムで生活していた。
※引用:「月の本-perfect guide to the MOON」
人は「概日リズム」(サーカディアンリズム)という体内時計によって、脳波・ホルモン分泌・細胞の再生などの生命活動が1日の中で変動します。
そのリズムは内在的に「25時間周期」をとっていると言われています。
この、25時間周期を地球の1日のサイクルに合わせるために、朝の光を見て、体に一時間のズレを修正させる必要があるのですが、この目の不自由な男性は光に反応できないため、約25時間周期で生きていました。
朝の光を見ると同調機構のはたらきによって、睡眠ホルモンであるメラトニンの働きを止めてくれます。
そして、体の時間を早め、概日リズムが整い、体の様々な働きを正常に維持することができるのです。
人工の光がなかった頃は、太陽と共に寝起きし、何も考えなくても生き物としてリズムを刻んでいたのでしょう。
しかし、私たちは快適な生活と引き換えに、生きることに対する工夫をする必要に迫られています。
日本では精神疾患が5大疾病に加えられ、近年では年間3万人が自殺すると言われています。
このことだけが原因ではありませんが、リズムが乱れ、無秩序に体に与えられる情報によって体調を崩される方も多いのでしょう。
概日リズムを整えることができないと、自律神経やホルモンバランスの乱れ、食欲のムラや不眠症、気分の浮き沈みなどにも大きな影響が出ます。
その大きな要になるのが、「早起きをして朝日を浴びる」(光を感知する)ということになるわけです。
アーユルヴェーダが教えてくれる自然の力を上手に利用し、自分を整えていく方法は、とても簡単で当たり前なことのために、多くの方が見過ごしがちです。
しかし、それらを生活習慣に組み込んで行くことは、とても賢い選択であり、現状に問題を抱えている方は、まずはじめに取り組まなければいけないことだと思います。
クスママーラー 大嶺由香
(新宿・代々木、アーユルヴェーダの隠れ家サロン「クスママーラー」)
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