関東は梅雨入り前ですが、からっと暑い日、じめっとひんやりする日など、気温・湿度・気圧の変化が大きいここ最近です。
気候の変化・気圧の変動の激しい時期は、身体に不調を感じる方が増えます。
アーユルヴェーダでは、私たちの生命を維持し活動させるエネルギーとして、トリドーシャ(3つのドーシャ)があるといいます。
ヴァータ・ピッタ・カパです。
すべての人に3つのドーシャの働きがあり生命活動がなりたっていますが、そのバランスは一人一人違い、それが体質で個性です。
そして、一人一人違う本来のバランスが整っていると心身健やかですが、バランスが乱れると不調としてあらわれます。
また、夏は火のエネルギーであるピッタが、晩秋は風のエネルギーであるヴァータが、など、季節ごとに乱れやすいドーシャがあります。
アーユルヴェーダには、季節をより快適に過ごすための知恵(リトゥ・チャリア)がありますが、季節の変わり目や梅雨時期は、すべてのドーシャが乱れやすくなるので、日々の様子に合わせた過ごし方やケアが大切になってきます。
より体調を整え、快適に過ごすための毎日の食事やケアを考える際に、大切なことは今の様子を観察することです。
そのときに役立つのが、アーユルヴェーダの健康法の特徴の一つでもある、質(グナ)をみることです。
アーユルヴェーダでは、主要20のグナ(質)があるとします。
「重い/軽い」など相反する質が10組あります。
1. 重い/軽い。
2. 冷たい/温かい。
3. 油っぽい/乾燥している。
4. 緩い/鋭い。
5. 停滞/移動。
6. 柔かい/固い。
7. 粘っている/澄んでいる。
8. 滑らか/粗い。
9. 粗大/微細。
10. 固形/流動。
アーユルヴェーダでは、「同質がその質を増やし、反対の質がその質を減らす」といいます。
その法則を上手に活かすことでバランスを整えます。
つまり、増えすぎた質を減らしたり、その質と反対の質を与えるということです。
とってもシンプルです。
(食事のこつ)
食事を考える時も、その食材の質を考慮してみましょう。
たいてい「旬のもの」は、真夏の野菜が身体を冷やす質のものが多いように、その時期の身体に必要な質になっています。
また同じ食材でも、少しの工夫を加えることでバランスを整えることが出来ます。
例えば、豆腐は重たく冷たい質があります。
身体が重たく冷たいときに、冷や奴をいただくと、「冷たい・重たい」+「冷たい・重たい」となり、同質が増えることになります。
その場合は、から煎りをして温かくし、水分を飛ばすなどの工夫を加えることで、質に変化を与えることができます。
暑い日に冷や奴をいただくとき、温性の生姜や茗荷などをのせることは、「冷たい・重たい」に「温かい・軽い」を加えていることになります。
理にかなっていますね。
また冷房で身体が冷えているときには、夏野菜の食べ方にも工夫が必要です。
調理法や温性のスパイスをかけるなど、冷やしすぎない工夫を加えましょう。
気軽に使える温性のスパイスには、ジンジャーパウダー、シナモン、ブラックペッパーなどがあります。
(セルフケアのこつ)
例として、梅雨時期のお悩みに多い足のだるさを緩和するための、足のセルフケアを「質に合わせる」ことに絞ってご紹介いたします。
まずは、温度や皮膚の触感などを観察しましょう。
1. 冷えていて乾燥しているときには、温めることと保湿が必要です。
足湯や温かい性質をもつセサミオイルで温めながらマッサージをしましょう。
2. 冷えていてしっとりとした重さがある。
温め、湿をとり、軽さを与えましょう。
絹の手袋でのインド式乾布摩擦(ガルシャナ)がおすすめです。
下から上に向かってほうきで掃くように軽やかに擦り上げます。
3. ほてりや熱があり、乾燥している。
涼しさを与えながら保湿しましょう。
冷たい質を持つココナッツオイルでゆっくりとマッサージを行いましょう。
少しの工夫で、心身をいい塩梅に調整できる、アーユルヴェーダの知恵で毎日を快適に過ごしましょう。
ブラフ・ヤヨイ
(ガネーシャ ~ヨガ & アーユルヴェーダ~)
http://www.ayurveda-ganesha.jp/