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インド・プネにあるワゴリ・アーユルヴェーダ大学に留学中の大橋美和子さんより、現地のアーユルヴェーダ事情や生活の様子についてご紹介くださいます。
(大橋美和子さん)
薬剤師。2009年からインド・プネのワゴリ・アーユルヴェーダ大学に留学中。
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こんにちは、今日は日曜日です。
通勤、通学の交通渋滞がなく、大気汚染があきらかに少なく、空に青空が広がる気持ちのよい日です。
インドの雨期もようやく終わり、すこし暑く感じられるくらいカラッとしたお天気になりました。
雨季の間は、クジャクがきれいな羽を広げてダンスしていますが、今はその羽も落ちてしまいました。
今日は、インドで一番のお祭り「ディワリ祭」です。
爆竹や花火が夜中じゅうなり響き、朝には、煙で辺り一面真っ白になるほどの大騒ぎになります。
ここ数年、この辺りではたくさんの車が普及し、大きなショッピングモールやマンションが、あっという間に建設されました。
私の住んでいるコレガンオンパークからワゴリの大学までの道路沿いには、新しいマンションの広告が、道路の標識よりもたくさん並んでいるのではないかという位です。
インドでも西洋化したライフスタイルが流行っていて、ジーンズやTシャツ、ミニスカートの若い女性も多くみられるようになりました。
おしゃれなコーヒーショップやレストランの前には、インドの若者がバイクの横でおしゃべりしたりしています。
そんな風に、ここインドでも時間と共にライフスタイルが移り変わって行く様子はみられますが、そういうライフスタイルの中でも、アーユルヴェーダを取り入れることによって、健康維持や「身体」「心」「意識」を自然のリズムと調和して保つことができます。
アーユルヴェーダでは「体内時計」を規則正しく働かせることで、食事の消化・吸収・同化を助け、心穏やかに、健康で長生きが出来るようになると考えます。
アーユルヴェーダにおける体内時計についての考えのひとつに、一日の時間によって活発に働いている内臓は変わるとされています。
たとえば、朝の時間帯は肺が活発に働くものと考えられ、正午頃には胃が活発に働いて、それゆえお腹が空いてきます。
午後は、肝臓が活発に働く時間となりますが、もし肝臓が弱っていると、午後2~4時頃に眠気が襲ってきます。
夕方は、腸や腎臓の働きが高まります。
これらの内臓の働きが高まる時間帯については、ヴァータ・ピッタ・カパというドーシャのバランスとも関連しています。
朝・夕の「日の出」「日の入り」は、ヴァータが高くなり、正午頃にはピッタがピークに達します。
夜は、カパが高くなる時間帯です。
このように時間によって変化する身体の働きを考慮した、「アーユルヴェーダの理想的な一日」の始まりを、今回はご紹介したいと思います。
多分、なんとなく健康に良いということは、どこかで分かっている事ばかりだと思います。
でも実践するには、なかなかきっかけがなかったり、忙しかったり。。。
全部を実践される必要はありません、この中から一つだけでも試してみられてはいかがでしょうか?
(1. 早起き)
ヴァータの人は、ゆっくりめ、朝6時の起床がおススメです。
ピッタの人は朝5時半頃、カパの人は朝5時が薦められます。
睡眠をとるということは、ゆっくりと体を休めるということ。
ヴァータの人は、体をじっと休めることが苦手で、動くことが得意ですから、ゆっくり休むとよいでしょう。
反対に、カパの人は、早起きすることでカパの質が抑えられ、体が軽く感じられるでしょう。
(2. お祈り)
どんなお祈りでもかまいません。
一日の始めに感謝をしてお祈りします。
(3. 洗面、歯磨き、舌磨き)
朝食の前に歯磨き、舌磨きをしましょう。
前日の食事が未消化になっているときは、舌が白い苔のようなもので覆われています。
できればタングスクレーパーを使って、なければスプーンで、やさしく舌の奥から手前にこするように白い苔を除きます。
舌は、全身の内臓を映す鏡のようになっています。
口の中のバクテリアを除くだけでなく、内臓のマッサージをする効果もあり、消化酵素の働きを高め、消化力を良くします。
(4. うがい)
歯、歯茎、あご、声をよくするために、温かい白ごま油でうがいをすると良いでしょう。
白ごま油を吐き出してから、人差し指でやさしく歯茎をマッサージします。
(5. 点鼻)
枕を首の下にあて、あごを天井につきだすような姿勢で、鼻の穴が天井に向いた状態で、温かいギーを左右の鼻に各3滴おとします。
(6. マッサージ)
オイルを使って全身、または頭のマッサージをするとよいでしょう。
ヴァータの人は「白ごま油」、ピッタの人は「ひまわり油」や「オリーブ油」、カパの人は「コーン油」がおすすめです。
入浴前やシャワーの前に、オイルマッサージをすると、体の内側まで深く浸透していきます。
寝る前に再び、オイルマッサージをすると、ヴァータのバランスをととのえ、熟睡できます。
オイルマッサージには、心を穏やかにしたり、血行を良くし、皮膚をやわらかく明るくする効果があります。
(7. 入浴)
オイルマッサージの後、シャワーまたはお風呂に入ります。
疲れをとり、一日をスッキリと爽やかに始められます。
(8. 運動)
一般的に、アーユルヴェーダの薦める適度な運動の目安は、額や脇、背中にうっすらと汗を各程度です。
早朝の散歩は、だれにでもおすすめの運動です。
ヴァータ・タイプの人は、ヨガや太極拳など穏やかな運動が特におすすめです。
ピッタ・タイプの人は、水泳のような体を温め過ぎない運動がおすすめです。
カパ・タイプの人は、最も激しい運動がすすめられます、ジョギングや自転車、テニス、山登りなどです。
(9. 呼吸法「プラーナーヤマ」)
運動した後、しばらく静かに座って深呼吸します。
それから、ヴァータの人は「アヌローマヴィローマ」を12回、ピッタの人は「シターリプラーナヤマ」を16回、カパの人は「バスリカ」を100回を行うことがすすめられます。
(10. 瞑想)
呼吸法の最後に瞑想をしましょう。
どんな瞑想法でも構いません。
(11. 朝食)
ヴァータ・タイプの人は、朝8時頃。
ピッタ・タイプの人は、朝7時半頃。
カパ・タイプの人は、朝7時頃がおすすめです。
ちなみに昼食は、
ヴァータ・タイプの人は朝11時から正午頃。
ピッタ・タイプの人は正午。
カパ・タイプの人は正午から午後1時頃。
夕食は、
ヴァータ・タイプの人は午後6時頃。
ピッタ・タイプの人は午後6時から7時頃。
カパ・タイプの人は午後7時から8時頃がよいでしょう。
そして、ようやく仕事へ向かいます。
お仕事から帰ったら、少し散歩をして、夕食をとり、就寝するというような1日が理想的です。
ちなみに、就寝時間もドーシャのタイプ毎に、
ヴァータ・タイプの人は夜10時。
ピッタ・タイプの人は夜11時。
カパ・タイプの人は夜12時までに寝ると良いでしょう。
毎日、このような時間を全て取り入れる事は難しいかもしれませんが、出来ることから一つずつ試してみてはいかがでしょうか?
今月の簡単なOSHOのメディテーションは「OSHO・ゴールデンライト・メディテーション」です。
(OSHO・ゴールデンライト・メディテーション)
早朝、目覚めたときにすぐ、まだ半分眠っていて半分目覚めてるいような時間に行いましょう。
シャワーを浴びたり、座禅をくんだり、なにか決まった姿勢で行う必要はありません。
ただ目が覚めた時に仰向けの状態で目を閉じましょう。
息を吸い込むときに、ただ黄金の光が体に入ってくるイメージを思い浮かべます。
まるで太陽が頭の近くに昇ってきて、黄金の光が頭に降り注いでいるかのように。
あなたはただ空っぽの竹となり、黄金の光があなたの頭に降り注いでいます。
下へ、下へとあなたのつま先まで光が注がれていきます。
息を吸いながら、このイメージを視覚化しましょう。
それから息を吐くときには、別のイメージを思い浮かべます。
暗闇があなたのつま先から入りこみ、大いなる暗い河がつま先から上へ、上へと入ってきて、頭の上から出て行きます。
ゆっくりとやってみてください。
深呼吸をするとイメージがしやすいでしょう。
とてもとてもゆっくりと行います。
そうすると、体がとてもリラックスしてくつろいだ状態となり、目覚めたときには、とても深くゆっくりとした呼吸ができるでしょう。
目覚めた時と就寝時、毎日約20分間、まずは3ヶ月続けてみて、是非効果を感じてみてください。
アーユルヴェーダの知識が、日本でも役立ちますように。
インド・プネのワゴリ・アーユルヴェーダ大学より。
大橋美和子