こんにちは、アーユルヴェーダサロン「ゆう」の上野由美子です。
私は以前、アーユルヴェーダ・ドクターのもとオイル・マッサージを受けながらアーユルヴァーダを学びに北インドのリシケシを訪れ、もう8年程になります。
年齢も重ね、今度は自分自身の身体を浄化したい目的で、少し前から興味がありました「スリランカ」を訪ねてみることにしました。
スリランカでもアーユルヴェーダ医療がありますが、インドとは異なり、スリランカではシンハラ伝統医学やシッダ、ユナニ医学など、混合された独自の伝統医療があります。
そして、亜熱帯の温暖な気候であるスリランカは薬草の宝庫でもあり、南インドにも無いハーブや薬草もたくさんあるといわれています。
そんなアーユルヴェーダのハーブや薬草を豊富に使ったハーブ・オイルでパンチャカルマを受けてみたいと思っていたところ、この度ようやく念願が叶いました。
アーユルヴェーダの治療「パンチャカルマ」は、前処置・中心処置・後処置と3段階に分かれて行われます。
その中でも「中心処置」は、アーユルヴェーダ・ドクターの指示のもと行われるので、日本ではなかなか受ける事はできません。
アーユルヴェーダのセラピストができるのも、前処置と後処置といわれています。
今回訪れたのは、スリランカで100年以上の歴史ある、アーユルヴェーダヘルスリゾートの老舗「シッダレパ」です。
本来、パンチャカルマを受けるには最低2週間の滞在が必要とのことでしたが、仕事の都合上、今回は10日間で連続9回のトリートメントの内容でお願いしました。
スリランカ到着の翌日朝、早速アーユルヴェーダ・ドクターによる問診が始まります。
今抱えている不調や体質チェックなど行って、その後の施術メニューが決まっていきます。
私がここのところの不眠と慢性的な肩こり・便秘についてお話すると、ドクターの診断の結果、「体質はヴァータ・ピッタですね」と告げられました。
そして、普段の食事や生活スタイルについて、ドクターよりアドバイスをいただきます。
たとえば、
・水は1.5~2リットルを目安にこまめに摂って、食事は苦味・酸味に注意。
・トマトやパイナップル、マンゴーは控えるようになど。
特に果物について、シッダレパでは滞在中の食事はバイキング形式で、フルーツも豊富にあるのですが、予め食事の際の注意事項を最初にお話しされたんだと思います。
・そして食物繊維の含まれた食材を摂ること。
・運動(スイミングが良いらしい)や音楽を聴いたり、本を読むなど、なるべくリラックスする時間を作りなさい。
とのお話しもいただきます。
そして、いよいよトリートメントの初日がスタートします!
最初は、絶対にシロダラー!と思っていましたが、シロピチュでした。
シロダラーをするより、始めにシロピチュをする事で体力を回復し、その後にシロダラーを行うことで効果が充分に発揮できるからだと言うことです。
トリートメントが終わり、ハーブバスに入ってから、オイルのたっぷり浸みたコットンを頭頂部に乗せて、翌日の朝までターバンを巻いたまま過ごします。
2日目も同じで、ハーブボールがプラスされました。
肩こりの私には、効果抜群です!
そして、シャンプーをする際に頭皮が緩んでいるのが、すぐに分かりました。
4日目は薬剤を飲んで、胃から腸を一掃していきます。
これは、中心処置の下剤法(ヴィレーチャナ)にあたります。
最初にオイルを使って下腹部を中心に入念にマッサージしていきます。
フレッシュなキング・ココナッツ・ウォーターに薬剤を混ぜて、ドクターがお祈りを捧げたカップを手渡されました。
とても苦くて酸っぱく、粉っぽさもあり飲みずらいのですが、いっきに飲み干すよう促されます。
その間、ドクターは体調に変化が現れないか見届けていました。
しばらくして部屋に戻り、「その時」が来るまで、じっと耐えます。
午後には、その経過を知らせにドクターのもとへ。
ホテル側からは、11時にブラックティ、お昼にはお粥、夕食も消化に負担のかからない食事を部屋まで運んで下さいます。
とにかくこの日だけは、じっと部屋の中で時間を過ごします。
私の場合、途中でヒマシ油も飲むことになりましたが、腸の中がきれいになった感覚があります。
翌日からは、シロダラー、経鼻法(ナスヤ)も加わります。
ナスヤも中心処置の1つですので、ドクター自ら施術が行われます。
帰国する2日前からは、体に滋養を与えるためとエネルギーバランスを整えるために、ピリチリやチャクラダラーを行い、最終日は関節部分を特に入念にケアして下さいました。
特にチャクラダラーは、初めての経験です。
耳と目を綿で保護し、第7チャクラから第1チャクラまで、円を描きながらお経を唱えて、温めたミルクをかけます。
期間中は、何のトラブルもありませんでしたが、帰国後にサロンに来られたお客様からは、私の顔を見て「すごく変わった」と驚かれていました。
ある人からは「ものすごくパワーを感じます」ともお話し下さいました。
アーユルヴェーダは「病気の治療」と「健康な人の健康維持」が目的と言われます。
現代医学では、病気になると病院に行き、病名がついてそのための治療が行われます。
一方、アーユルヴェーダでは病気になる前の予防をとても大切と考えます。
シッダレパには、世界各国から多くの人が病気の予防のために訪れています。
身体が健康でいる事は、心も穏やかになり、それは周囲の環境にも、穏やかで平和な空気が影響を与えていくと、アーユルヴェーダでは考えます。
このスリランカ・アーユルヴェーダの旅を通して、あらためて体調を崩さぬよう、食事と生活習慣に気をつけて過ごしていきたいと思いました。
最後に、素敵なお部屋や素晴らしい現地セラピストの方、最高品質のオイルの手配など、この旅行において御一緒くださったアーユルヴェーダ・セラピストのサラさんや旦那様のご配慮に、あらためてこの場を借りて心から感謝申し上げます。
本当にありがとうございました!
【コラム筆者】
アーユルヴェーダサロン「ゆう」
上野由美子
(ホームページ)
アーユルヴェーダサロン「ゆう」