(ギーとは)
ギーは、無塩バターを加熱して、水分・たんぱく質、糖分を除いて、純粋なオイル状することで、ご自宅でも作ることができます。
香ばしい香りとほんのり甘い味が特徴です。
ギーはバターの不純物を取り除いているため、牛乳アレルギー、カゼインアレルギー、乳糖不耐症の方でも使用でき、長期保存も可能なことから、近年再注目されています。
コーヒーにバターを入れて作る「完全無欠コーヒー」に、バターの代用として使用する方も増えているようです。
「最も純粋で優れたオイル」と言われる「ギー」、アーユルヴェーダでも、トリートメントにおけるマッサージ・オイルや外用薬をはじめ、様々な治療の場面で活用されてきました。
(ギーの夏バテに対する効能)
バターから作られたオイルなんて、夏の食事には重たそう・・・と感じる方もいるかもしれませんが、魔法のオイルとも称されるギーは、暑い季節の今こそ積極的に摂っていただきたいオイルです。
夏バテ気味の方はもちろん、元気な方にもオススメしたいギーの効能をご紹介します。
【食欲増進、消化力アップ】
ギーは冷却と甘みの性質を持っているので、夏場に過剰になりがちなピッタを下げながらも消化力アップに役立ちます。
香ばしく甘い風味によって食欲増進も期待できます。
アーユルヴェーダでは健康の基礎となるのは「消化力」と言われますから、暑い季節を元気で乗り切るためにも、適切な消化力を保つことは特に大切にしたいですね。
【便秘解消】
夏に便秘になりやすい方は、汗をかいて腸が水不足になっていたり、クーラーによる体の冷えから血流が悪くなり、腸の動きが鈍くなっている傾向があります。
また、食欲が落ちることで腸から必要な栄養素が吸収できず、消化物が停滞し、便秘になってしまうケースもあります。
不純物が取り除かれたギーは消化がスムーズなので、腸にも吸収されやすく、ヴァータの乱れにより冷えてカラカラになった腸を潤してくれます。
【老化防止】
夏場は紫外線の影響により老化やガン、動脈硬化の原因となる活性酸素が増えやすくなります。
肌はもちろん、体内の組織も大きなダメージを受けているのです。
この活性酸素の働きを抑えるために、抗酸化作用の強い食品を積極的に摂るのがオススメです。
一般的にオイルは熱が加わると質が変わってしまうものも多いのですが、ギーは熱に強く酸化しにくい性質を持っているため、加熱調理にも向いています。
一方、酸化しやすいオイルを体内に入れるとアーマ(毒素)に変わりやすいので、オイル選びや調理方法には注意が必要です。
【エネルギーの向上】
ギーに多く含まれる中鎖脂肪酸は、単体で消化できるため消化機能に負担をかけず素早くエネルギーになる、という特徴があります。
その上、消化の際に他の脂肪や老廃物も一緒に分解してくれるので、太りにくい体を作ります。
一方、バターは脂肪となって蓄積されやすい長鎖脂肪酸の含有量が多いので、ギーとバターは働きの面でも全く別物なのです。
また、ギーそのものが「オージャス(生命エネルギー)」を高めるオイルと言われ、ギーを上手に摂ることで、オージャスが溢れる健康な身体づくりができます。
(ギーを作ってみよう)
最近では、市販されているギーも比較的簡単に手に入るようになってきていますが、手作りのギーには作り手のエネルギーが籠ります。
【用意するもの】
1. 無塩バター
2. 鍋
3. キッチンペーパー
4. ザル
5. 保存容器
【作り方】
1. 鍋に無塩バターを入れ弱火~中火で温めます(100~120℃前後)。
2. 泡が細かい状態から大きくパチパチと弾けるようになります。
3. 泡がクリーム状になり甘い香りがしてきたらすぐに火を止め、キッチンペーパーをのせたザルで漉します。
この時オイルの色は透き通り、鍋の底に沈殿物がある状態です。
(火にかけてから20~30分程度が目安、バターの量と種類によって変わります)
4. 熱が冷めたら保存容器に蓋をします。
冷暗所で保存し、3ヶ月を目安に使い切りましょう。
水分や不純物を完全に分離させたいので、混ぜないこと、そして焦がさないことが美味しいギーを作るコツです。
何度か漉すと、より純粋なギーになります。
カレーやお菓子作りはもちろん、そのままでも加熱しても美味しくいただける黄金のオイル「ギー」。
体にいいものですが、摂りすぎが良くないのはどの食材も同じです。
多くても1日大さじ2杯程度にしましょう。
寝る前にホットミルクに、小さじ1杯入れたものを飲むと便秘に良いとされていますが、個人的におすすめしたいのがお味噌汁に混ぜる食べ方。
意外に思われるかもしれませんが、いつものお味噌汁が香ばしくまろやかになり美味しくいただけますよ。
さらに、ドライアイや目に疲れを感じる時は、少量をまぶたに塗るといいとも言われています。
普段の生活にギーを取り入れて、夏バテ知らずの毎日を送りませんか。
【コラム筆者】
アーユルヴェーダサロン・Richural(リチュラル)
中村友恵
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