アーユルヴェーダ(Ayurveda)は、サンスクリット語のAyus(生命)Veda(知識、叡智)を語源とし「生命の科学」と訳されますが、それは単なる伝統医学ではありません。
Veda=ヴェーダとは、紀元前1200年頃から古代インドで編纂されたとするインド最古の文献です。
「ヴェーダ」という言葉はサンスクリット語の Vid(知る) を語源とし「叡智」「聖なる知識」を意味していますが、後に古代インドにおける宗教的知識が集成された聖典そのものの名称とされました。
このヴェーダは教義中心の単なる宗教書ではなく、私たち人間の本質や存在の意味、社会や自然との関係、神々への祭祀、音や言葉といった感覚世界、さらには世界や宇宙の成り立ちに至るまで、存在そのものを理解しようとする哲学的かつ体系的な知識の集積となっています。
宇宙はどのような秩序で成り立つのか
人間とは何者なのか
自然と生命はいかに調和するのか
こうした何千年にもわたって行われてきた、存在そのものへの問いかけと観察の積み重ねによって産み出されてきたものがヴェーダとなっているのです。
ヴェーダは「リグ・ヴェーダ」「サーマ・ヴェーダ」「ヤジュル・ヴェーダ」「アタルヴァ・ヴェーダ」の四つに分類されますが、さらにそれぞれが本集(サンヒター)・祭儀書(ブラーフマナ)・森林書(アーラニヤカ)・奥義書(ウパニシャッド)の4つの部門で構成されています。
「リグ・ヴェーダ」は主に神々への讃歌(リチュ)で構成され、本集は1028篇もの讃歌からなっています。
ヴェーダ聖典群中でも最古のものとされ紀元前1200年頃に編纂されたといわれています。
「サーマ・ヴェーダ」は「リグ・ヴェーダ」と同様に神々への讃歌が中心とされますが、祭式において独特の旋律(サーマン)にのせて歌われる讃歌が収録され、歌詠を司るウドガートリ祭官によって護持されてきました。
「ヤジュル・ヴェーダ」は祭式において唱えられる「祭詞(ヤジュス)」が集められたもので、祭式において行作を司るアドヴァリユ祭官によって護持されてきました。
ヤジュル・ヴェーダはその形式によって「黒ヤジュル・ヴェーダ」と「白ヤジュル・ヴェーダ」に大別されます。