こんにちは、神戸市長田区のアーユルヴェーダサロンSri Saumya(スリサウムヤ)のRieです。
こちらでは、私の愛してやまないスリランカという国の、普通の旅行ではなかなか味わえない小さな村の日常をシリーズでお送りしています。
前回、スリランカ滞在中に発熱し、駆け込んだ病院が西洋医学の病院だったことから、スリランカでも西洋医学との融合がなされているというお話をしましたが、どうしてもアーユルヴェーダドクターの処方を受けたかった私・・・。
運良く(?)人生初のアレルギーを発症したため、今度こそアーユルヴェーダドクターのクリニックに行くことができました。
第1回目でお伝えしている通り、私の滞在した村はとても小さな村で諸外国のレストランや近代化の波がさほど届いていないエリアになります。
そのため外食はほとんどせずに、自炊をしていました。
毎食カレー。
スリランカのカレーは出汁が効いているものも多く、日本人の口に合いやすいです。
(余談ですが、鰹節/モルディブフィッシュを食べる文化は日本とスリランカだけらしいです)
しかし滞在も後半に差し掛かった頃、いいかげんカレーに飽きてきた私は、少し値段が張りますが「エビ」を大量に購入して、ソテーにして食べようと試みました。
スリランカの友人たちの口にも合うように、ちょっとスパイシーなソテー。
その日は大好物のエビを堪能でき、ご満悦で就寝しました。
翌朝、膝の周りにポツポツと発疹があるのに気がつきます。
しかし、大量の蚊がいるスリランカですでに何十箇所も蚊に刺されていた私は、膝と指は一番かゆみが出るポイントですので、「やられたーーー!!!!」くらいにしか思っていませんでした。
午後からアーユルヴェーダの講義がありますので、日本でも人気のシッダレパバームを膝に塗り込んでいつものように出かけました。
シッダレパのバームは、アーユルヴェーダ製薬会社の老舗、シッダレパの代表的商品のバームで、蚊よけにもなりますし、かゆみを抑える効果もあります。
効き目もいいのですが、この日は講義中も膝のかゆみがおさまりませんでした。
ふと膝を見ると、発疹が広がっています。
そして太ももや肘、腕にも発疹が出ていました。
慌ててアーユルヴェーダドクターの元に駆け込むと、一言、
「昨日シーフード食べた?」
と聞かれました。
エビやマグロ、ロブスターでアレルギーを起こす外国人は多いそうです。
なんでも、母国のものと比べて毒性が強い場合があるとのことでした。
ドクターからは「ピンダオイル」という真っ赤な色をしたアーユルヴェーディックオイルを処方され、コリアンダーを煮出して飲むように言われました。
(ピンダオイルはピッタの鎮静効果があります)
コリアンダーはカレーパウダーなどに使用されていますが、解毒作用が強いスパイスです。
また、ピッタを鎮静しますので、肌疾患が起こった時や夏にオススメのスパイスでもあります。
頻尿の場合や、逆に少ない場合(濃くなっている場合など)、またむくみにも効果がありますよ。
今回のアレルギーは重篤な状況ではなかったので、ドクターからもホームレメディ的な処方しかもらえませんでしたが、ドクターから飲み薬や塗り薬ではなく、家にあるスパイスを使った解毒方法を教えてもらえることが「素晴らしい文化だな」と感じました。
日本で同様の症状で病院に行った場合、きっと抗生物質の飲み薬と塗り薬を出されていたのではないか、と思います。
これは友人の付き添いでアーユルヴェーダ薬局に行った時の写真ですが、ドクターに処方された処方箋をみながら、薬剤師が1回分ずつの煎じ薬ハーブをはかりで調合しているところです。
新聞紙に包んで、輪ゴムで止めてくれます。
ちなみに、地元のローカルレストランにいくと、紙ナプキンではなく新聞の切れ端が置いてあり、これで手や口を拭くんですよ♡
現代の日本は、クリーンを通り越し、過剰なまでの衛生観念に囚われている方も多いように感じます。
私は昔から東南アジアを旅し、虫が飛び交う屋台で食事をすることも平気な性分なのでこういったエコロジー的文化を目にすると、なんだかとても落ち着きます。
スリランカは決して不衛生な国ではないのです。
悪臭が漂うところに虫がいるのではなく、自然が多いゆえに虫が多いのです。
スリランカはアーユルヴェーダのみならず、自然を愛し自然に敬意を払う国民性を持つ国です。
しかし、近代化が急ピッチで進み始めたスリランカ。
足を知る、その素晴らしき文化が今後もずっと続いていってほしいと願うばかりです。
日本という先進国に生まれ、何不自由なく生活ができることが当たり前となった現代において、それでも物質主義の社会でもがき苦しむことも多いと思います。
日本人の遺伝子は、世界的に見てもとても優秀だと聞いたことがあります。
今、私たちは日本人としての誇りをもって生きているのでしょうか?
スリランカに行くたびに、私の中で無駄なものが削ぎ落とされ、自分の生き様が時に恥ずかしく感じることがあります。
タイやフィリピン、ベトナムなどの東南アジアは灼熱の中に生きるエネルギーがムンムンと伝わって来る国ですが、スリランカのそれは穏やかで優しい温かさを感じます。
多くの人がスリランカに魅了されるのは、この温かさにあるのではないかと個人的に感じます。
皆様もぜひ、一度スリランカへ訪れてみてください。
きっと、新しい自分に出会える時間になると思います。
私の次のスリランカ渡航は夏を予定しています。
また、新しいスリランカの顔をお届けできれば、と思っています。
【コラム筆者】
Sri Saumya(スリサウムヤ) Rieさん
(神戸アーユルヴェーダサロン Sri Saumya/スリ サウムヤ)
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