(インドで処方されたくすり①)
アーユルヴェーダでは台所が薬箱と言われるほど、食べ物を大切にしています。
スパイス、ハーブ、オイルなど植物・食品の全てが薬だと言えるかも知れません。
身近な食材で体調を整えるのが基本ですが、そのほかにもアーユルヴェーダではいろいろな調合をされた薬が存在します。
今回は簡単にいくつか紹介してみたいと思います。
アーユルヴェーダの薬局へ行くと数えきれないほどの種類の薬が並んでいます。
アーユルヴェーダの薬として有名なのは、薬草オイル(Thailam)です。
アーユルヴェーダでは食品やスパイスが直接体調を整えるお薬になるので、内服薬のイメージは少し薄いかもしれません。
また、現在は薬事法等の関係で日本では薬としては許可されていないものが多く、健康食品として出回っているものもあるようです。
内服用のお薬で、インドの病院で最初に処方されたものとして、
Churnam (粉薬)
Kashayam (煎じ薬)
Arishta (薬酒)
Gulika (丸薬)
Leham (舐薬)
などです。
それぞれの体質や症状に合わせて、お湯で飲んだり、温かいミルクやはちみつと合わせたりします。
Churnam - 粉薬です。内服、外用の両方に使われます。
口臭予防のような使われ方をする場合もあり、クローブやハリタキの配合された粉薬を先生はよく授業中に舐めていました。
Kashayam - 漢方の煎じ薬を思い出すような苦さのある濃縮液のようなもので、朝起きてすぐに温かいお湯で割って飲む場合が多く、まさに「良薬口に苦し」のものがほとんどです。
なかなか減らない薬のひとつでした。
Gulika - 日本でもお馴染み万能漢方薬「●露丸」と思って間違いないと思います。
工場にも見学に行きましたが、練った薬草をおじさんたちが手作業で丸めていました。
Leham - ジャムのようなものです。寝る前にスプーン一杯と温かいミルクというような指示がありました。甘くておいしい場合が多いです。
Arishta - 薬酒と訳されていますが、イメージ的には最近、自家製で作っている方の多い「発酵酵素ジュース」に近い感じがします。
果実と薬草を発酵させるあたりも、とても類似しているように感じました。
南米の友人は、この薬を飲むとお酒を飲んだように顔が真っ赤のなるので、服用出来ないと言っていました。
これらの薬、確かに工場で大量生産されていたりもするのですが、見学に行くと、結構、昔ながらの製法に従っていたりします。
もちろん、聖なる薬なので撮影も禁止です。
少量を作る際はほぼインド料理を作るのと変わらない感じで作られています。
家庭で簡単にできる煎じ薬としては、コリアンダー、クミンをひとつまみ入れ、300㏄のお湯の量がほぼ半分(150㏄)ぐらいになるまで煎じて飲むと、消化を促進し解毒作用に効果があるといわれています。
ドーシャを鎮静させる作用もあります。
特にピッタを整えるのに効果的で、冷ます作用もあります。
どんなハーブやスパイスもそうですが、食品とはいえ強力な効果のあるものも少なくないので、それぞれの体調に合わせて、適性な時期に適量を摂取するのがよいのではないでしょうか。
ナチュラル・キッチン&スペース ヴァーユ Megumi
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