親愛なるみなさま。
お元気でお過ごしでしょうか?
12月になって、日々が過ぎるのが加速したみたい・・・。
気が付くともう12月も後半!?
あと少しの期間でクリスマス、忘年会、年末、お正月を元気にこなさなければなりません・・・(笑)。
みなさまの体調はいかがですか?
12月はヴァータという質が乱れやすい月、とアーユルヴェーダでは言われています。
ヴァータが乱れると行動もこころも不安定になり、無駄に動いてしまったり、不安になったり・・・。
イベントやお付き合いで、やることが盛りだくさんな12月ほど、つとめて休息と規則的な睡眠を取るように気をつけて過ごしたいものです。
さて今回は12月ということもあり、今年の締めくくりとして、日本の中にどれくらいアーユルヴェーダ的なものがあるのかを少し探してみました。
アーユルヴェーダはもともとインド発祥の医学ですが、「生命」=「アーユス」と「知識または科学」=「ヴェーダ」ということなので、インド以外の日本や他の国に住む人たちにも当てはまる知識のはずなのです。
たとえば、春。
春の食卓に登場する「山菜」。
春に出回る山菜には苦味が強いものがたくさんありますね。
フキノトウ、タラの芽、うど・・・などなど。
春はカパという土の質が乱れやすくなる季節です。「苦味」は過剰になったカパを下げてくれる作用があります。
春に苦味のある山菜が旬をむかえお店に出回るのは、冬にため込んだカパが身体の中から出やすくするための自然からの贈り物かもしれませんね。
たとえば、夏。
昔の人は「打ち水」といって、道に水を撒いて、「涼」を取っていました。
近ごろでは、地球温暖化や節電の関係でエコライフ的に「打ち水効果」も見直されて来たようです。
あちらこちらで、「打ち水大作戦」というもの起こり、またこれからの夏の定番になりつつあるのかもしれません。
夏は、ピッタという熱の質が乱れやすくなります。打ち水は「水」という熱を下げてくれる物を撒いて、ピッタを鎮める効果があります。
たとえば、秋。
日本には「お月見」という月を眺める、なんとも風流な風習があります。
秋もまたピッタという熱の質が乱れやすくなる季節です。
そして「月」は身体を冷やしてくれる作用があります。秋にお月見をする風習は理にかなっていますね。
たとえば、冬。
冬至の日に、ゆず湯に入ると、1年間風邪をひかないという言い伝えがあります。
冬はヴァータという風の質が乱れやすくなる季節です。
ヴァータは軽くて冷たい質を持っていますので、冬に身体が温まるお風呂に入ることはヴァータを整えてくれる作用があります。
そして、お風呂のゆずの柑橘系の香もヴァータの緊張を和らげてくれる効果のひとつになっているのだと思います。
1年を通して探してみると、いろいろとあっておもしろいです。
みなさまも、ヴェーダ的な日本をご存じでしたらぜひ教えてくださいね。
最後に子供のころよく私が、祖母や母に言われてきた田舎の古い「言い伝え(?)」のお話し。
私は子供のころ、台所手伝をすると祖母や母に「大根を「こんちくしょう!!」と怒りながら大根をすりおろすと、大根が辛くなるからだめだよ。
やさしい気持ちで大根をすると、大根が甘くなるからね・・・。」と、よく言われたものでした。
子供のころは、何のことかさっぱり分からずにいましたが、こんな風にいわれると、食卓に並んだ自分がすりおろした大根が「辛い!!」と言われやしないか・・・と、ドキドキしたことを覚えています。
アーユルヴェーダでも、「調理をする人のこころの状態は、直接食べ物に影響をあたえる・・・。」と考えられています。
イライラして怒りながら料理をすると、その食事に影響を及ぼし、そして、そのような食事を食べることで食べた人の健康が悪くなる・・・と言うのです。
祖母や母はアーユルヴェーダのことをまったく知りませんが、作り手のこころの状態によって食事の質が変化すること、そして、それを食べる人への影響があることを、祖母もまた祖母の母から代々「言い伝え」という形で教わってきたのかもしれません。
このような代々受け継がれてきている「言い伝え」というのは、きっと何か意味があって伝わってきているのだと思います。
そして、このような事を知ると、誰かのためや自分のために作る食事は、いつもごきげんな状態でつくりたいな・・・と思うのです。
食事もそうですが、おやつも添加物などが入っていない手作りおやつを楽しみたいものです。今月は火を使わないでかんたんに作れる、古代から伝わっている『粉熟(ふずく)』というお菓子のアレンジです。
ひと口サイズに小さく作って準備をしておけば、なにかと忙しい年末にぴったりなお菓子です。
古代文献に出ている『粉熟(ふずく)』のレシピは、煎ったささげ(なければ省いてもOK)、切った干し柿、切ったなつめ、煎り白ごま、搗き栗(干し栗や甘栗でもOK)、煎り大豆に干し飯の粉を混ぜてよく搗くというものです。
干し飯の粉がなければ、玄米の粉やりブレフラワーなどでも代用が出来るようです。
今回私が作った『粉熟(ふずく)』は上記のレシピにアレンジをくわえて、自分の家にあるドライフルーツとナッツ類をいろいろとミックスして作りました。
干し柿、デーツ(なつめ)、いちじく、レーズン、甘栗、煎り大豆、煎り白ごま、松の実、カシューナッツ、アーモンド、くるみをそれぞれ1/4カップくらいずつ細かくした後、すり鉢でドライフルーツとナッツがよく混ざるように搗きます。
そしてまぜる粉は「はったい粉」を使いました。
「はったい粉」は大麦を炒って、挽いた粉にした香ばしいかおりがする粉です。
ビタミンやミネラルがたっぷりです。
冬の時期、カパを増やしがちな私にとって、はったい粉は玄米や米の粉よりも軽いので「はったい粉」で作りました。
ねばねばしすぎる時には、粉を多くして、生地がまとまらない時には、ドライフルーツを多くして調節してください。
いま家にあるドライフルーツやナッツなんでも大丈夫ですが、酸味の少などライフルーツが合うと思います。
小さくても栄養価が高いので、ひとつ食べるとエネルギーが充電できた気持ちになりますので、ちょっとヴァータが乱れて疲れている時には最適です。
どうぞ、お試しくださいませ。
いいことがいっぱいだった人も、そうでもなかった人も、今年もあと残りわずか・・・。
風邪などを引かず、元気にお正月をお迎えくださいね。
今年1年、どうもありがとうございました。
2013年もどうぞよろしくお願い致します。
アーユルヴェーダの知識が、みなさまのこころと身体の健康に役立ちますように・・・。
Berry Moon 櫻井真実