とても久しぶりにコラムを書かせていただきます。
時々このような場をいただけることに感謝しております。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
春は「万事が発る(はる)季節」といわれるのだそうです。
あ~、奥が深い!
この言葉に出会った時、なんだか感動しました。
一年は十二ヶ月に分かれていて、私たちは一般的にこの十二ヶ月を区切りにしながら暮らしているのですが、季節をもっと細やかに考えた時、太陰暦を使用していた時代に一年を二十四に等分し、その区切りと区切られた期間を現すための工夫として考え出された「二十四節気」というものがあります。
二十四節気は中国の暦であるため、少し日本の気候とは合わない部分があるということで、もっと季節の移り変わりを正確に理解できたら、農家が季節による被害で農作物に損害を出さずに済むのではないかと考えられ、「土用」「八十八夜」「入梅」などの「雑節」を取り入れ、日本の旧暦ができたのだそうです。
日本ならではの「雑節」は、農業に従事する方々の「生きる知恵」でもあるのですね。
この二月「立春」は「寒さが明けて春に入る日」だなんて素敵です。
二月の暦には立春の後に「雨水」という時期がありますが、これは「空から降るものが雪から雨に変わり、氷が融けて水になる」といわれるもの。
アーユルヴェーダでも春は同じように教えられています。
春は花が咲き始めてからではなく、その前から始まっていますから、本格的な春を迎える前に生活習慣をもう一度見直した方が良さそうです。
季節の不調は、その前の季節の暮らし方や食生活がとても影響を及ぼすと、アーユルヴェーダのドクターも必ずお話しされることです。
日本の言葉はとても美しく、その文字には一文字ずつに意味がありますが、私たちはそれを忘れかけていないだろうかと思う時があります。
健康はブームで培うことができるものではないはずですが、なぜか日本人はブームに乗りやすく冷めやすい・・・「培う」というのは、長い時間をかけて育てるという意味を持っているので、やはり健康というのは、一瞬で手に入れられるものではないのだろうなと思います。
アーユルヴェーダは伝承医学でもありますが、人がそれぞれに生きることの指針です。
身近になったインドやスリランカ、そして今暮らす日本の先人たちの知恵をいただいて、日々を丁寧に大切に過ごして行きたいですね。
室内は冷房や暖房で快適であっても、外は大自然そのものです。
快適さに慣れてしまった現代人の身体は、自然界から離れてしまい抵抗力も衰えがちだったりしますから、季節に言葉があるように、私たちの体でも季節を感じることが出来るような、正しい生活をしなければいけないな~と思います。
体ってとても正直ですから、この体からのメッセージを受け取れる自分であることも、健康で生きるための知恵に繋がると思いませんか?
それでは最後に、スリランカのとても簡単で栄養価が高く、ヘルシーな一品をご紹介させていただきます。
これは先日のテレビ番組の中でも、アーユルヴェーダ食として紹介されていました。
主食として、スープやカリー、サラダなどと組み合わせていただいても宜しいですし、忙しくてちゃんとご飯を食べる時間がない!なんて時にも重宝する一品です。
消化にも重くないので食の細い方にも向いています。
食の土台がしっかりすれば、おおよその病気は寄せ付けない身体になるだけでなく、現代人には避けられないさまざまな添加物や酸性食品なども、上手に消化・排泄する力が備わるといわれています。
【KURAKKAN ROTTI(クラッカン・ロティ)
クラッカン粉はスリランカでよく使われる食材です。
インドではラギ粉といわれ、日本ではシコクビエ粉といわれています。
古代からお酒の原料にも用いられ、アミラーゼ活性(デンプンをグルコースやマルトース、オリゴ糖に分解する酵素活性)も高いとされている優れものです。
お米や麦などと比べタンパク質、脂肪、ミネラルに優れ糖尿病の方などの食事療法にも使われています。
(材料)
(※1)ワータ・カパの方はヒマワリ油が良い、ピッタの方はココナッツオイルかオリーブオイル。
1. オイル以外の材料をボウルに入れてよく混ぜわせます。
2. お水の量は加減しながら耳たぶ程度の柔らかさにこねてください。
3. 適量ずつを丸めてのばします。
4. 油を薄くひいたフライパンで焼きます。
サヴァサナ SARA
(群馬県伊勢崎市のアーユルヴェーダ・サロン Cava sana「サヴァサナ」)
http://www.cava-sana.jp/
(Cava sana「サヴァサナ」オンライン・ショップ)
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