初めまして、Trinityの小林佐知子です。
アーユルヴェーダやヨーガの智慧と共にヘナ&ハーブを日常に活用し、「より自然と調和して生きていこう」ということをテーマに、「ヘナ」のことや様々な体験を紹介させていただくことになりました。
拙い経験ですが、少しでも生活の一部にご活用いただきお役に立てればと思います。
以前は、最先端の科学的事実・・・みたいな事にとっても興味がありましたが、ここ15~16年は、出来る事ならなるべく自然のままが良いと思うようになりました。
植物は植物として、人間の自我で作らない、使わない。
植物と寄り添って助け合う気持ちで。
まずは植物から教えてもらうつもりで付き合う。
第1回目は「ヘナという植物」というテーマで書いてみようと思います。
アーユルヴェーダでは日々の暮らしから治療に至るまで様々な薬草を用います。
アメリカインディアンの言葉で「我々は植物から学ばねばならない」という言葉がありますが、日本にも縄文の時代より自然と共存し調和する文化は根付いていました。
日本人は元来、あらゆる四季折々の植物と上手に付き合い生活してきたという点で、もっとも注目される民族かもしれません。
文字通り「ヘナ」も薬草の一つです。
メソポタミア文明の頃には既に栽培され、染料として使われていたといいます。
古代エジプトでも、クレオパトラが化粧にヘナを取り入れていたのは有名で、ヘナの葉で手を染めるという習慣は古くから行われていたようで、爪を染めたミイラも見つかっているとか。
ミイラを包む布の染色にも、ヘナは使われてたようです。
イスラム教では幸運をもたらす植物とされ、結婚などの人生儀式においてさまざまなへナ染めの儀式が行われてきました。
モロッコの遊牧民は、イスラム教が浸透する以前の自然信仰において、ヘナには特に聖なる力が満ちていると信じてきました。
インドの村などでは指先を赤く染め、手のひらを紅色の点々模様で飾っている女性を見かけることがあるかと思います。
特にラジャスターン州やグジャラートなど、西の方で盛んのようです。
また、幸運の植物とされ、結婚式の数日前には花嫁にメヘンディの儀式があり、ヘンナリアというヘナ師により吉祥模様のメヘンディを手足に施されます。
メヘンディの色が濃く、色持ちが良いほど結婚生活がうまくいくと言われています。
先日訪れたインドの結婚式でも花婿花嫁共々バッチリと濃くヘナタトゥを施しておりました。
現在でもその習慣は引き継がれているようです。
ヘナの原産地は、エジプトからペルシャとされ、赤道より北緯20~30度くらいの間ならどこにでも自生する植物とされています。
ミソハギ科の植物で、丈もあまり高くはならず、枝にとげがあるので、家の生垣に植え込まれていることも多いようです。
花は小さく、四弁で淡いクリーム色。少しピンクがかることもあります。
日本でも良くみられる、ミソハギ科のサルスベリの花とも咲き方が似ていますね。
花は一年中、枝のどこかにはあるようですが、最も良く咲く時期は4月~5月頃。
花、若芽、若く柔らかい枝からは、ハンセン病の治療に使われる抽出物が得られるそうです。
葉を油と練って額につけると頭痛が治まるといいます。
私自身も経験があります。
イスラム医学やアーユルヴェーダでは古くから親しまれてきた植物で、報告されている効果として「毒素排泄」「殺菌」「鎮静」「消臭」「冷却作用」などがあります。
薬草としては、湿布薬、傷薬、止血、火傷、吹き出物、打撲傷、頭痛、生理不順などの予防や治療に医薬品として使われたり、皮膚病や肝臓病にも効くと言い伝えられています。
1990年のインドの科学者の論文では、ヘナの中のローソニアアルべという成分が肝臓の毒素を排泄させる役目があり、ナフトキノンという成分が子宮の働きを整えると発表されました。
ヒンズー教の女神ラクシュミーは、へナの女神とも言われています。
ラクシュミーはインド三大神(シヴァ、ビシュヌ、ブラフマー)の中のビシュヌの妻であり、ヒンズー教の中でも最も人気のある女神で、美と健康と豊穣の女神として人々から愛され続けてきました。
日本では奈良の薬師寺に祭られている吉祥天女として有名です。
ヘナという言葉自体はアーユルヴェーダよりも知名度は高いかもしれません。
ですが、まだまだ一般的にはヘナと言うと「髪に優しい白髪染め」、アーユルヴェーダというと「頭に油を垂らすやつでしょ!」というイメージの様です。
どちらも間違ってはいませんが、少しずれてるなぁと感じます。
ヘナという植物を生活習慣に取り入れる大きなメリット、それは「感覚器官を養う」こと。
どの様に養われて行くのかについては、また次回からのコラムで書かせていただければと思います。
数千年の歴史を経て、今日本に伝わってきたヘナという植物。
今までも、そしてこれから100年、いえ、1000年経っても変わらないものです。
これらをどう活用するかは現代の私たち日本人の知恵と工夫ですね。
探究して参りたいと思います。
Trinity 小林佐知子
(Trinity アーユルヴェーダ・ヘナハーブ)
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