はじめまして、タイラヒカルです。
今年の夏も暑いですね。
暑いと言うより「熱い」と言った方がしっくりする感じです。
夏はアーユルヴェーダでは身体の中の「火の要素」、「ピッタの質」が増えやすい季節といわれます。
以下のエピソードは私が実際に経験した冬の日の出来事ですが、「ピッタの質」が増えやすい夏こそ注意したい皮膚疾患・蕁麻疹などの肌トラブルについてお話します。
とある保険関係のお仕事でデータ入力のお仕事をしていた頃の話です。
そのお仕事、単にデータ入力すればよいというものではなく、法律関係の事柄も多少関係していて、1つの案件でも単純なものもあり複雑なものもあったりと様々で、その一方で1日あたりの処理件数やスピード、正確性の3拍子は求められるという少しハードな内容のものでした。
出来事は、そのようなキツイお仕事のプレッシャーに耐えきれなくなってきた、冬の2月に起こります。
発症当時を振り返れば、イライラはピーク。
朝起きた時は激しい頭痛にも見舞われていました。
「もう今日こそ、お仕事サボってどこかへ行こうかな?」
と、それまでの数日間は朝に目が覚める度に真剣に思っていましたが、その頃はちょうど天気も悪く「現実逃避」には適していない気候でもありまして、
「あと数日待ってみて、週末に高尾山でも登って頭を冷やしてこよう」
などと考え、なんとか出勤した日の夕方の休憩時間。
突然、心の底からのイライラがピークに達し、「わ~っ」と叫んで会社を飛び出したい衝動に突如駆られました。
今までにそんな経験はなく「ホントに今日はどうかしている」と。
その日の午前中からうっすら体中のいたるところに痒みが出ていて、心身の不調を感じながらもしかし気を取り直し、「美味しい南インド料理でも食べれば、あと数日はなんとか頑張れるさ」と、あまり気にしないようにして夕飯をインド・レストランで食べることにします。
ところが、料理を半分くらい食べ終えた頃から、ヒザ裏からいかんともし難い痒みに襲われ始めます。
それでもインド料理は完食することをモットーとする私、痒みを我慢しつつ、スパイス多目に作ってもらった料理はひとつ残らず平らげて帰りました。
しかし帰宅後、あまりに激しい痒みにすぐに服を脱いでみると、下半身、特に臀部周りがスゴイ事になっており、蕁麻疹と認定。
数時間は激しい痒みにのた打ち回ったのでした。
(アーユルヴェーダ的にみる皮膚炎の兆候)
「イライラする」という症状は、ピッタ(火の性質)が乱れた時、最初に現れる症状です。
ピッタの悪化を自覚する目安となる。
ピッタが増えすぎると「イライラしがち」「攻撃的」になっていく。
それが進行してゆくと皮膚に痒みや炎症として現れる。
ピッタは肝臓を統率する。
肝臓のピッタが上がる原因には食事も関係し、スパイシーなもの、辛いもの油っこいものを摂りすぎるとピッタは上がる。
無理や頑張りすぎて心や身体に負担をかけ続ける事でもピッタは悪化する。
・ ・ ・
実に興味深い内容です。
その時の蕁麻疹の原因が肝臓からなのかどうかはわかりませんが、そっくりそのまま鮮やかなピッタ増悪のパターンに思われます。
イライラしすぎてスパイシーなものを食べたら蕁麻疹。
いや、蕁麻疹の兆候によってイライラが増したのか?
卵が先か、ニワトリが先か?
(対処法について)
既にイライラが出てしまっているときには、心身ともに熱くしてはならない。
身体を温めるのは悪化の元。
視覚(テレビ、映画、ゲーム)を刺激したり、運動などで心身を興奮させる事もNG。
スパイス、辛さ、塩分の刺激物は控えめに。
・ ・ ・
(蕁麻疹にニームの実験結果/個人の体験談です)
・ニームのペースト
肘裏とくるぶしは効果テキメン。
痒みは15分くらいで軽減。
他の場所は広範囲すぎて全然ダメ。
・煎じ薬
あんまり効きませんでした、濃度が薄かったのかも知れませんね。
・ココナツオイル + 煎じ薬
全然ダメ。
※上記は個人の体験談です。
※ニームペーストの使用につきましては個人差があります。
※お試しの際には自己責任にて、身体と十分相談して行って下さい。
蕁麻疹は1晩で治まるかと思いきや、結局2日間も続きました。
3日目にはあまり飲みたくなかった薬を飲んで不快な症状を抑えました。
悪化の原因は、晩ご飯に食べた南インド料理と、(蕁麻疹時には良くないと知りながらも)帰りに雪に降られたので、その夜に熱い湯船に浸かり体を温めた事が思い当ります。
どうしようもないストレスで、いっぱいいっぱいだったのでしょう。
とはいえ結果として、自ら症状を悪化させてしまいました。
このようなことを、アーユルヴェーダでは「プラギャパラーダ」、つまりは「知性の誤り」と言い、罪を犯した事という意味にもいわれます。
蕁麻疹が出ているっていうのに、スパイス増量で南インド料理など食べず、すぐさま高尾山に登り、身も心も冷やしていれば、2日も3日も苦しまずに済んだのかも知れませんよ、ということです。
「高尾山に登って頭を冷やしてこよう」と思ったのは、正解だったのです。
爆発的に発症する前から既に自分でも解決方法を知っていたのですから、私たちの身体は本当に凄いです。
現在、季節は夏ですね。
どこでもエアコンが効いているからピッタはあまり増えない?
いえいえ、汗をかく機会少ないと身体の中に熱がこもりピッタは増えてしまっています。
このような暑い時期、1日1回は汗をかいて、身体のピッタを放出させてください。
そして、間違っても激辛料理やスパイシー料理を食べて悪化させないようご注意くださいね。
ayurveding タイラ ヒカル
(アーユルヴェーダサロン スバスタ/30代後半からの女性の不調を解消するヴェーダ・セラピー)
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