こんにちは、アーユルヴェーダ・セラピストの樋山智美です。
5月になり新緑の季節、小鳥たちのさえずりが心地よいですね。
今回は「耳と音」についてです。
心地よいさえずりを聞きながら、音についてご紹介したいと思います。
五感とは「視覚・聴覚・味覚・触角・嗅覚」でした。
アーユルヴェーダの5元素「空・風・火・水・土」のうち、「音」は「空」元素にあたります。
宇宙創造の最初に出来たと言われているのが「空」。
アーユルヴェーダの5元素の「空・風・火・水・土」の順番にも意味があり、
空が高じて風が起き、風の摩擦で火が起こる。
火が空間を溶かし、水が生み出され、
火は次第に燃え盛り、土が出来た。
という流れだったそうです。
そして、空元素の「音」が宇宙創造の根源とされ、AUM、またはOM(オーム)が宇宙の始まりの音とされています。
アーユルヴェーダでは音が持っている、波動を重視し、古来からマントラ(真言)が治療として使われて来ました。
波動とは、同じようなパターンが空間を伝播するものであり、音の高音は波が短く振幅、低い音は波が長く振幅して伝わって行きます。
音の振動が身体を伝わり、脳へも伝わり、脳のアルファ波を出しリラックスさせてくれます。
インドでも古くからシタールが音楽療法として使われて来ましたが、このシタールには倍音が沢山入っています。
※倍音とは・・・音を出した時に整数倍に響く音。
※実際は厳密に整数ではなくゆらいでいることが多い。
※この倍音の微妙な音の違いが音色となる。
私も友人とシタールを聞きに行った際は、いつの間にか眠りについていました。
倍音が多い程、心身の癒し効果は高いとされます。
たとえば、生の楽器や民族楽器。
アーユルヴェーダやヨガに携わる方にはお馴染みのクリスタルボウルやシンギングボウル、ティンシャにも入っています。
ラーガと言われるインド音楽では、季節や時間帯で奏でる音色を変え、心身の調節をしていたと言います。
古来から、自然と調和しようとしていた事が伺えます。
楽器ごとにも、ドーシャの関係が見られるのも興味深いです。
・打楽器/地の要素を持つ。 → カパの質 → 情動に作用。
・弦楽器/水の要素を持つ。→ カパの質 → 感情に作用。
・金管楽器/火の要素を持つ。→ ピッタの質 → 意思に作用。
・木管楽器/風の要素を持つ。→ ヴァータの質 → 知性に作用。
また、電子楽器や音楽音源のCDやTVのデジタル楽器は、長時間の使用で心身の疲労と不調をきたすと言われています。
デジタル処理化された音は、性質上から、不可聴範囲(人間が音として聞こえない範囲)がカットされているため、本来の音からすると、不自然な音になります。
私たちには聞こえていない音だとしても、身体でとらえています。
(もう1つ不調の原因として、倍音が完全整数倍に処理されている為、疲労が起こるそうです。)
そう考えると、日常生活では、デジタル音にまみれて生活しているため、耳から受ける不調も多くなるはずです。
時間を見つけて、自然音や生の楽器に触れてみましょう。
自然界には、小鳥のさえずりをはじめ、小川のせせらぎ、波の音がアルファ波を出しリラックスモードに。
心身ともに伸び伸びスッキリする事でしょう。
ゴールデンウィーク明けは五月病の症状が出る方もいますので、是非、音楽療法を取り入れてみてください。
カナディール 樋山智美
(ホームページ)
アーユルヴェーダサロン・カナディール