こんにちは、ヨーガ・アーユルヴェーダセラピストの林亜希です。
澄んだ空や色づく葉。
自然界にはやさしい色が増え、秋は、目も休まる季節ですね。
とはいえ、立冬を迎え暦の上では冬到来、朝晩の空気も急に肌寒く感じられる頃、一年の中でもっとも乾いて冷たいヴァータ(風のエネルギー)シーズンに入ります。
実り豊かな秋を堪能しつつ、寒さに向けない身体づくりをしていきたいものですね。
アーユルヴェーダでは、初秋の身体は、夏に蓄積したピッタ(熱のエネルギー)が悪化し皮膚のかゆみや発疹といった症状となって現れやすいですが、これからはヴァータ(風のエネルギー)の悪化に気をつけたい時期。
ヴァータの乱れの主なサインとして、身体の冷え、便秘、神経が過敏になるなどがあげられます。
今回のコラムでは、この時期特有の症状の緩和・改善におすすめのセルフメンテナンスとして「絹ガルシャナ+セサミオイルケア」をご紹介します。
【ガルシャナ】
ガルシャナとは、絹の手袋やタオルをつかって、皮膚をさするインド式の乾布摩擦です。
乾布摩擦といえば、寒さに負けない丈夫な身体づくりとして、日本でも昔は幼稚園や小学校で乾布摩擦の時間があったくらい有名な民間療法ですね。
アーユルヴェーダでは、体内にはスロータスとよばれる管が全身に張り巡らされていると考えます。
スロータスとは、口から肛門までが一番大きな経路で、その他、血管やリンパ管、神経や汗腺といった、栄養の運搬・消化・代謝・排泄などを担う管、目に見えない気の流れも含む生命エネルギーを運ぶ空間のことをさします。
この空間に汚れがなくきれいな状態であるほどに健康で、この管壁に未消化物がこびりついていくことが老化や病気の大きな原因になります。
ガルシャナ療法は、皮膚をこするという体表に直接的に刺激を与えることで、スロータスの閉塞をふせぎ流れをよくします。
また、絹には18種類のアミノ酸を含むタンパク質が含まれており、人間の皮膚の構成にとても近いため、肌にやさしく心地よく、負担をかけずに排毒をうながしてくれます。
まとめると、ガルシャナには次のような効果が期待できます。
・冷えの改善。
・むくみ・だるさの改善。
・免疫力があがる。
・胃腸の働きがよくなる。
・脂肪燃焼。
・セルライト除去。
・美肌など。
やり方はとてもシンプルで簡単。
絹の手袋を装着して毛並みと逆方向へ摩ります。
絹のタオルだと背中全体もできますね。
冷えやむくみがあり皮膚が丈夫な人は、しっかりさすっても問題ありません。
湿疹やかゆみがある時、熱がある時は控えましょう。
また、体質的にピッタの症状がでやすい人は、いきなりごしごしせず、やさしく試してみてください。
数十回往復するだけでも摩擦熱がうまれ温かくなり、肌に透明感がでたり身体が細く軽くなるなど、目にもみえる変化も感じられるでしょう。
【オイルケア】
ガルシャナの後、セサミオイルケアをしていきます。
(オイル選びと準備)
・使用するのは、茶色く香ばしい香りのする焙煎されたごま油ではなく、生搾りの透明なごま油です。
※スーパーなど食材店で普通に購入できます。
・生の太白ごま油は、100度に熱することで成分が安定し熱の質も高まるため、一度熱をとおしておきます。
※清潔な密閉ボトルで保存すれば2ヶ月はもちますので、つくっておくと便利です
・一度につかうオイルの量は、大さじ2杯くらいを目安に、湯せんで心地良い温度まで温め準備します。
※オイルの量は乾燥状態、使用感にあわせて増減します。
≪太白ごま油の効能≫
ごまに含まれる抗酸化成分「ゴマリグナン」が他の植物オイルにはない効果を発揮します。
ゴマリグナンは、加齢とともに減少していく女性ホルモン(エストロゲン)と似た働きをします。
さらに成分自体の安定性により、通常なら効力を発揮する前に壊れやすい「ビタミンE」もまもるため、美肌や、血行促進による冷えや肩こりの改善につながります。
ゴマグリナン中のセサミンは肝機能を高める働きがあるため、肝臓内の活性酸素を除去し、高血圧の改善や動脈硬化、心筋梗塞の予防につながります。
セルフオイルケアは、全身どこに塗ってもよいですが心地良い感覚にそって塗るのが一番です。
但し、セサミオイルは目には入らないように気を付けます。
筋肉をもみほぐそうとか、方向や圧はあまり気にせずに、「肌に塗る」ことを楽しみましょう。
まずは、ガルシャナをおこなった場所にオイルを塗ってみてください。
驚くほど浸透がよく、同時に肌にも艶がでます。
時間のない時は、頭(頭頂から頭皮全体)・耳(耳たぶ、外側、内側)・足(足首から下、指先、足の甲・裏)の3点でもよいでしょう。
オイル塗布後、シャワーやお風呂に入るなど発汗をするとさらによいです。
オイルケアが習慣になり、経皮吸収がくりかえし行われるうちに、次のような効果が期待できます。
・老化を遅らせる。
・疲労を回復させる。
・視力をよくする。
・神経系の安定。
・睡眠を健やかにする。
・体力を頑強にする。
≪ガルシャナ、オイルケアともに、体質別やり方のポイント≫
・ヴァータの人は、時間をかけてじっくり念入りに。
・ピッタの人は、やさしく丁寧に。
・カパの人は、リズミカルに素早く。
どんな体質でも、季節の影響は多少なりとも受けるもの。
その時の状態と反対の性質をとりいれるようこころがけてみましょう。
夜の間にでてきた老廃物を流すため、朝行うのがよいとされますが、時間も回数も、身体に現れる快適な変化、気持ちいい体感を目安におこないましょう。
又、下記のような体調の時は控えます。
・皮膚に炎症がある時。
・ケガをしている時。
・消化不良の時。
・満腹の時。
・熱がある時。
・妊娠期。
セルフケアは、今の心身の状態と向き合い、いたわることのできる時間です。
繰り返し触っていくことで、その時の身体をとおして、今の自分には何が必要で何が不要なのか、だんだん明確になるでしょう。
続けるほどに自然と身体は健康に、心は静かに保たれてゆきます。
日々は常に動きゆくものですから、習慣ほど強くゆるぎないものはないとおもいます。
迷った時には、「自分が気持ちいいかどうか」を頼りに、自分を養っていけるとよいですね。
ヨーガ・アーユルヴェーダセラピスト 林亜希
(林亜希さんのブログ)
ブログ /
http://akiicoco.exblog.jp/
【アーユルヴェーダのある暮らし】
AkiとZenkiの「『ガルシャナ+オイルセルフケア』ワークショップ vol.2」
日時:11月27日(日)16:00~18:30
場所:ヨガスタジオグロウ二子玉川、女性限定(定員20名)
料金:先行予約4,000円、当日予約4,500円
詳細・お申込み:ヨガスタジオグロウ二子玉川 tel:03-5717-6633
http://www.yoga-gllow.com/