アーユルヴェーダの診断では「ヴァータ」「ピッタ」「カファ」という言葉が登場しますが、これは特別なものではなく、私たちの誰もが持っている「人の心や体を動かすエネルギー」のようなものを意味し、「ドーシャ」と表現されています。
「アナタはヴァータ」と言う表現をアーユルヴェーダ医師はしません。
「ヴァータ人間」だという意味ではなく「ヴァータの持つ質が増えやすい人」ということで、「ヴァータが増えている」と診断されるはずです。
増えやすい「ドーシャ」は誰にもあるのですが、これがバランスを保っていれば心の状態も体の状態も良いということで、不調を感じることはさほどありません。
体質というものは、そもそも不調のないものであることが基本です。
それが生活習慣や環境によって変化し、毒素が蓄積することにより身体の不調を感じるようになるのです。
たとえば、赤ちゃんの目ってとても青く見えるのですが、これも不純なものが蓄積していない状態をあらわしていますし、赤ちゃんの便が臭わないのも同じことです。
食べているものや暮らし方によって、目が充血したり便の臭いが強くなったり日々変化していますね。
では「ヴァータ」の増えやすい「ヴァータ体質」の方がバランスを崩すとどうなるでしょうか・・・。
「ヴァータ」というのは「風」や「乾燥した」「速い」という質なので、そのような症状が心や体に現れてきます。
体質としては寒さに弱く、便秘がちで汗はかきにくい人、じっとしているのが苦手でフットワークも軽いのですが、気分が変わりやすいという側面もあります。
このドーシャのバランスが乱れると、いつも落ち着かない気分になり、緊張感が増し不眠症になりがちです。
また、乾いた質を増やしやすいためお通じが悪くなったり、関節痛が出てきたり、抜け毛や肌の乾燥もあらわれます。
このようにバランスを崩してるな・・・と感じた時には、薬やサプリメントに頼るのではなく、自身の心や生活習慣を見つめる必要があります。
簡単にいえば「同じものが同じものを増やす」という観点の元、風の質を思い浮かべ、それと反対のことを行えば良いわけです。
温かな食事と、上質な油分を適度に摂取することは、ヴァータのアンバランス時には意識しておこなっていただきたいことです。
オリーブオイルはヴァータの方に向いているオイルです。
出来上がった温野菜サラダに天然塩とエキストラバージンオイル、そしてレモンの絞り汁をまぶしたり、少量のピュアオリーブオイルとバターでじっくり炒めたタマネギに、お好きな野菜を加えて煮込んで作るスープにも、仕上げにエキストラバージンを少し垂らすのも良さそうですね。
インゲン豆類や調理したカブ、タマネギ、カボチャetc・・・玄米や胚芽米もお勧めです。
仕上げに垂らすオイルは、少し贅沢なくらいのエクストラバージンを使って、オリーブの風味を楽しむという食事の仕方も、心を豊かに気持ちを高揚させてくれそうですよ。
お好きな入浴剤を使ってゆったりと入浴したり、オイルマッサージも大変向いています。
リラックスするための香りも加えるとなお良いですね。
食事も睡眠も規則正しくしっかりととって、気持ちを前に向け思い悩まないこと。
「ヴァータ」が増えているな・・・と感じたら、ちょっとお試しになってみてはいかがでしょうか。
サヴァサナ SARA
(群馬県伊勢崎市のアーユルヴェーダ・サロン Cava sana「サヴァサナ」/facebook)
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