ヨーガ的な生活って?
「先生、毎日どれくらいヨーガをしているの?何を食べているの?毎日どんな生活をしているの?」などなど、ご質問をうけることがあります。
ヨーガのインストラクターをさせていただいてはいますが、私は、家に戻れば主婦、母親、嫁・・・、その場での役割を果たしながら日々を過ごすヨーガ練習者です。
そんな生活の中で、ヨーガに出合った頃から心がけていることがありますが、それは特に特別なことではなく(笑)、ですが伝統的な教えの中に記されていることでもあります。
これらは、自分の生活様式の中に簡単に取り入れることができ、長寿と健康で幸せな人生をもたらしてくれるもの、と教えられています。
なので、わたしは、日常の生活でも、レッスン中でもいつも意識しています。
下記にポイントをすこしまとめてみました。
(ヨーガ的な生活・ヨーガの5つのポイントとは?)
1. 適正な運動(アーサナ)。
2. 適正な呼吸(プラーナヤーマ)。
3. 適正なリラクゼーション(シャヴァアーサナ)。
4. 適正な食事(菜食)。
5. ポジティブシンキングと瞑想(ヴェーダーンタとディヤーナ)。
です。
身体はよく自動車に例えられます。
自動車が機能するためには、
1. 潤滑装置。
2. バッテリー。
3. 冷却装置。
4. 適正な燃料。
5. 明晰なマインドと判断力をもつ運転手がハンドルを握る。
という「5つの要素」が必要です。
1. 適正な運動とは?
ヨーガのエクササイズはアーサナと呼ばれ、アーサナとは、安定したポーズのことを指します。
正しく行えば、循環器系、筋肉系、内分泌系、呼吸器系、消化器系、そして、神経系まで、身体のすべての組織に影響を与え、確実にエネルギーを与えることができます。
そして、背骨を柔軟に保つことを重要視します。
背骨が柔軟であれば、マインドも柔軟!であるからです。
さらに、アーサナには「気づきと集中、呼吸とリラクゼーション」が伴います。
プラーナ(気・エネルギー)が全ての臓器、細胞、身体各部分に流れ、活性化することができます。
この過程のなかで、身体とマインドは自らの支配者である「インナースピリット(内在する魂)」との連携、調和を促します。
実践者に幸せとより深い感覚をもたらします。
これらは、心と体を強くし、集中や瞑想を深める為の準備となります。
年齢によって、時間によって、身体の状態によって、考慮しなければならないこともあります。
是非、アーユルヴェーダの知識のある先生と出会って、ヨーガをはじめてください(*^O^*)
2. 適正な呼吸とは?
ヨーガは横隔膜を使った、ヨーガの完全式呼吸の必要性を重要視しています。
深く息を吸うことによって採り入れる「酸素の量」を増やし、深く息を吐くことによって適切に「毒素」を放出する。
ヨーガは呼吸パターンを常に意識することや日常生活において、意識的に呼吸をすることを教えてくれます。
特定のプラーナヤーマは、ナディを浄化し、呼吸と体内エネルギーを調和させてくれます。
そして「微細なエネルギー」を蓄え流します。
「Hhatha」という単語は「プラーナ・ヴァユ(陽の生気)」と「アパーナ・ヴァユ(陰の生気)」とのバランスに関することでもあります。
呼吸法も目的によっても種類があります。
最近は「正しい呼吸が知りたくて~」といらっしゃる方も多いですが、実は知るだけでは効果はでないのです。
なぜなら、お腹をつかって横隔膜を動かしてみたり、肋骨の動きを見ていると、ちょっと意識を入れてみても、ご自分か思い描くようには動いていない様子に愕然とされる方も・・・。
座っていても、動いていても雑念ばかりがわいてきたり・・・。
そう、やはり意識的な呼吸をすること、そして、観ることも練習が必要なのです。
3. 適正なリラクゼーションとは?
リラクゼーションとは、身体を自然に再充電する方法です。
身体的なリラクゼーションは、意識的なリラクゼーション(シャーヴァアーサナ)と正しい姿勢を常に実践すること。
精神的なリラクゼーションは正しい呼吸、マインドの集中、そして、前向きな思考によって可能になります。
これらにより、確実に「現在」に生きることができ、死と未来に対する恐怖を克服し、求められていることに対して、決意と勇気をもって対処し、マインドを導き、より適した「優先事項」を選ぶことが可能となります。
先日、ヨーガのレッスン後に、ご自分のその時のレッスン中の感想をそっと伝えてくださった生徒さんがいらっしゃいました。
それは、私がヨーガの練習を始めたばかりの頃に感じた精神的なリラクゼーションによる感想とそれによって・・・というところでお互いに共感しあえた部分でした。
ですが、こういったことも、人それぞれです。
こういうことに一喜一憂しない、執着や追い求めないことをおすすめします(笑)そのままを観ればOKです。
人によって、アーサナの練習よりヨーガニドラが必要な方、逆にシャーヴァアーサナより他の事でというように、本来ヨーガは人それぞれ、ご自分に合わせて、必要なことを行います。
ですから、人と同じように進めようとか、できるようになろうと思わないで大丈夫です。
グループレッスンに参加されていたとしても、わかってきます。
もしくは、先生にご相談ください。
4. 適切な食事とは?
正しい栄養と食事は、毒素や消化器系のトラブルを生み出すことなく、身体とマインドに適正な燃料をもたらします。
食物、空気、水、太陽光を最適な方法で使用することは重要です。
なぜ、身体が食物を必要とするのか?
それは、エネルギーを供給する燃料として。
そして、体内組織を修復する原料としてです。
ヨーガにおいて、菜食がすすめられる理由は、菜食により身体と関節がより柔軟になることと、心臓病、関節炎、肥満を防ぎ、多くの慢性病に対応するためです。
段階的に菜食になってもかまいませんし、栄養の取り方を意識することにより、生き方を学ぶ機会にもなります。
そして、ヨーガでは、何を食べるかだけでなく、どのように食べるかをも意識します。
ヨーギー、ヨーギニーは、意識を持って調理し、食事をし、食事の間隔を十分にあけて、「消化の火」を活性化させることで食物を消化することを重視します。
適正な食生活には、定期的な断食も含まれます。断食は消化器系を休ませ、身体とマインドを浄化し、マインドをより敏感にサトヴィックにし、集中と黙想、瞑想の助けとなります。
※他にも書きたいことはありますが、ここでは、控えます。
※是非、ご自分のヨーガの先生の言葉に耳を傾けてください。
※もしくは、アーユルヴェーダの食事学などを学ばれることもおすすめです。
5. ポジティブシンキングと瞑想とは?
自動車の運転手が、事故やトラブルなしに自分自身を目的地に到着させることに努めるように、わたしたちは、自分が常に前向きでいることができるように、自分のマインドと感情を管理することを学びます。
まず、わかっておきたいことは、ポジティブな思考はエネルギーを与え、成長を促します。
ネガティブな思考はエネルギーを失わせ、成長を抑制する、ということです。
そして、自分自身について、ポジティブな見方をする人は瞑想的な生活を維持し、直感的な知識と精神的な強さへと導かれます。
わたしは、ネガティブな状態であるときに自分が思った以上にエネルギーを消費してしまい、何もできず、前に進めないということを少し長い期間、経験したことがあります。
このとき、トンネルを抜け出す前に頭に浮かんだことは過去のこと、過去ばかり振り返っていました。
しかし、その中に、過去に学んだ知識がありました。
わたしはそれに助けられた(笑)
ただ、どんな状態であっても、是非、一分でもヨーガの何かをする。
忘れてしまっても、仕切り直してスタートする、でも3日はあけない(^_^)
私の師匠からの言葉です。
朝、太陽に向かって深呼吸1回でも、それに集中して行えば立派なヨーガです。
難しく考えないで!難しくしてしまっているのは、自身のとまらない思考や心配だったりします(^。^)
上記 5つのポイントは「ヨーガの実践と哲学の要点/シヴァナンダ・アシュラム ヨガ・ファーム」より引用させていただきました。
ヨーガを実践するものは その者によってサーダナ(修養)の計画も違うかと思います。
ヨーガを始める方、始められた方々がヨーガをただの運動と思わずに、どのようにみて、用いて、どのように進んでいくのかの道しるべ的な、ちょっとした参考になれば幸いです。
ヨーガの練習は、何か特別な人がするわけではありません。
しているから特別というわけでもありません。
ダイエットのため、病気の予防、治療の一環としてだったり、他にも入り口は多岐にわたります。
どんな理由であれ、ヨーガの入り口に立つ方が増えてくださることは、ヨーガを伝える者にとっては嬉しい限りです。
そして、入り口に立ったならば、ぜひ、一歩、また一歩とゆっくりとすこしずつ、前進していただけたらと思います。
なぜならば、長年の思考の癖だったり、生活の癖は、それで過ごした時間が長ければ長いほど、変化するにも時間がかかります。
逆に、急に変化させてしまうと、それはそれで負担がかかることもあります。
一歩すすんだとき、きっと気づいているかと思います。
ご自分がなぜヨーガを今、練習するのか。
二歩すすんだとき、また別の気づきを得ているかもしれません。
そうやって、一歩二歩三歩と積み重ねていきます。
ですが、気づきは追い求めるものではありません。
まずは、ヨーガの実践者となる!ヨーガを練習する!と決意(サンカルパ)し、三ヶ月、一年、三年とつづけてみましょう!
【コラム筆者】
SHANTI YOGA 本城英子
(ホームページ)
SHANTI YOGA
(Facebook)
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