初めてコラムを書かせていただきます。
大阪・シャンティランカ アーユルヴェーダの梅原しょうこと申します。
私とアーユルヴェーダとの関わりは12年です。
うち、約7年間はスリランカがメインの生活。
アーユルヴェーダはもとより、ルールがあってないような異文化の中での貴重な体験のお陰で、四角四面だった私が、やや、ゆるゆるの私になれたことは有難いことです。
※「こうあらねばならない」ではなく、「なんでもありィやなー」と思えることは楽なことだということがわかりました。
※しかし、まだスリランカ人にはかなわない!
アーユルヴェーダの5千年の歴史からすると、まだまだ駆け出しの私の体験ですが、この12年間の歩みと、近年、スリランカ西部州にアーユルヴェーダ治療センターを開設してからの体験をもとに、ほんの少しだけスリランカでの一般的な治療ラインについて、ご紹介させていただきます。
※私が「理論で学んだことの実践って、こういうことなんや~!」って思った内容です。
※前置きが長くなってしまったと感じつつも、筆者のことを少しお伝えしたく・・・、本題に進む!
アーユルヴェーダ治療の目的は、まぎれもなくこのふたつ。
病気でない方は「免疫力を高め」「若返り」「より精力的な生き方ができるようになること」(予防医学)、病気の方は「症状の根本原因を取り除き」「病気にならない強い心と体を作ること」(治病医学)です。
そのために、当治療センターでは、次のような段階を追った治療を行っています。
【第1段階/前処置法・・・本処置法を受けるための体の準備をします!】
健康、病気に関わらず、誰のカラダにも多少なりとも老廃物、毒素の塊があり、それらがカラダの機能を低下させる要因となっています。
アーユルヴェーダ的に言うと、ドーシャが乱れている状態(過剰・拡散・悪変)です。
老廃物や毒素が凝固したまま、本処置法(パンチャカルマ 完全浄化法)を施すと、排出したいドーシャが通過する通路が狭まれて、うまくいきません。
ですから、前処置法で、体内組織や老廃物、毒素を軟化させ、排出しやすい状態にします。
前処置法で行うことは、一般的には、内服薬を使った毒素の軟化溶解、同じく、内服薬を使った消化機能の回復、軽めの食事法による消化器系の負担軽減、油剤法、発汗法による組織の軟化と活性化、毒素排出などです。
前処置法の成功は、食欲の状態、皮膚の状態、便尿汗の状態の変化などによって、判断することができます。
※この段階だけで、カラダはかなり軽くなって、皮膚も張りと輝きがでるからスゴイ!
【第2段階/本処置法・・・乱れて過剰になったドーシャを排出するためのパンチャカルマ!】
前処置法が成功したら、本処置法に移ります。
この段階では、カラダの組織(内側も外側も)が柔らかくなり、スロータス(管)もやや、きれいになっていますから、ドーシャは排出しやすくなっています。
その人に必要なパンチャカルマが適応されます。
ナスヤ(経鼻法)/鎖骨から上の過剰なカパを排出。
ヴァマナ(催吐法)/主に上半身の過剰なカパを排出。
ヴィレーチャナ(下剤法)/主に上半身の過剰なピッタを排出。
ヴァスティ(浣腸法・瀉下法)/主に下半身の過剰なヴァータを排出。
ラクタモークシャ(瀉血法)/悪化したピッタ(血液)を排出。
ドーシャは見えない存在ですが、実在しており、それが機能して起こる結果を見ることによって、その存在を認めることができます。
過剰に悪化したドーシャを排出するということは、実際には、視覚できる粘液、老廃物、便、尿など、つまり、悪化したドーシャによって作りだされた、不要な体内物質を排出すること、その時、悪化したドーシャを排出すると考えられています。
※この理屈を理解するのに、頭の固い私はすご~~~く時間がかかりました!
※ドクター達は「過剰なカパを排出させます」と言う。
※私は「カパって見えへんのにどうやって排出させるんやろ?」と疑問。
パンチャカルマを受けている間は、厳しい食事制限があり、油分、米、小麦粉、魚、生野菜など、消化に時間がかかるものは一切食べません。
どの食材も、消化しやすく、栄養のあるものばかりです。
味付けは塩、胡椒、スパイスのみ。
※おいしいものをたくさん食べ慣れている日本人にとっては、やや過酷な時間かも!
【第3段階/予後処置法・・・ドーシャを整え、もとの元気なカラダに戻すための治療!】
本処置法が成功し、これまで体内に保持していた不要なものがなくなると、カラダは軽くなりますが、変化したカラダが定着、安定するまでは、食事や生活に気をつけなければなりません。
前処置法から本処置法にかけては、案外体力を消耗しているものです。
ゆっくり休息しながら、カラダを整えます。
この段階では、全ての感覚がポジティブに研ぎ澄まされ、健康に悪いものを受付けにくいカラダになっているのがわかります。
お酒やたばこが意外と簡単に止められるのはそのためです。
気がつくと、考え方や感情も変化しているので驚きです。
食事は、徐々に食べられる食材が増えますが、それでも、肉や小麦粉など消化に時間がかかるものは最小限に。
こうして、長年の汚れと澱んだエネルギーを落とし、本来の自分を取り戻すことが「アーユルヴェーダ治療」です。
これらの一連の治療ラインを完結するためには、ある程度時間が必要です。
ところが、普通にお仕事をされている方、ご家族がいらっしゃる方など、長期で海外まで行って治療を受けていただくことは皆無に等しいです。
そこで、私達はその課題を解決するために、短期の方でも、できるだけこのラインに近い治療を受けていただける方法を考えました。
※ここにご紹介した治療過程は、あくまでも一般的な流れであり、誰にでも当てはまるものではありません。
アーユルヴェーダは、まだまだ説明のつかないことがたくさんあり、信憑性に欠けていると思われがちかもしれませんが、現地で、数えきれない種類の薬草(薬)を使いこなして、クライアントのドーシャをコントロールし、結果を出すドクター達の活躍をみていると、「疑う余地なし!お見事!」と言わざるを得ません。
日本で、アーユルヴェーダの真理がますます求められる時代がくることを願っています。
【コラム筆者】
シャンティランカ・アーユルヴェーダ 梅原しょうこ さん
(シャンティランカ・アーユルヴェーダ)
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