我が家の庭にザクロの木を植えてから7年目。
これまで花は咲いても実がつかなかった木に、今年はたくさんのザクロの果実がなりました。
割った果実の一粒一粒を時間をかけてとり、絞ったジュースをいただきました。
ざくろは、「血液を浄化する」「心臓疾患によい」「美肌」など、ネットで少し調べると、優れた効能がたくさん書かれています。
栄養豊かなものを取り入れることは、とても嬉しいことですが、それ以上に、自然の恵みが地球にあること、それをいただけている今があることに感謝があふれてきました。
そして身体の感覚が研ぎすまされる気がしました。
太陽の光が注ぐ、土があって雨が降る、植物が育つ、食べる、排泄する。
人間も自然の循環にいるということや自然の流れを、頭では分かっているつもりになっています。
ですが、あふれる健康情報や、スーパーに並んだカット野菜ばかりを目にしていると、 日常で身体が感じにくいように思います。
アーユルヴェーダを生活に取り入れはじめてから、「身体は感じられているかな?」とたまに確認するようになりました。
(身体に備わっている知性)
アーユルヴェーダでは、本来人間の身体にも「知性」が備わっていると考えます。
自然には法則があり、その中で調和しながら存在する生命としての「知性」です。
私たちの身体に備わっている「知性」は、生命を維持・成長させています。
傷や不調を癒す力があり、今、必要なもの、あるいは不必要なものを知っています。
たとえば、胃腸の働きが鈍く、消化力が弱まっている時は、食欲は落ちます。
食欲がわかないということは、大量の食物が必要ないという身体のサインです。
消化に負担をかけないものを少量いただくなど、胃腸を休めることで消化機能の回復を促します。
身体に備わっている「知性」がうまく働かないと、消化力が弱まっているのに、身体がサインをださない、もしくはサインを出しているのに気がつかないことがあります。
「3食しっかり食べなくては」「栄養を摂らなくては」など、「習慣」や「思い込み」が強いこともあります。
また、電車のつり革広告や看板などの、美味しそうな料理や美味しそうにビールを飲んでいる人の写真を見て、急にそれを食べたい(飲みたい)と思ったことがある方も多いのではないでしょうか。
消化力が弱まっているときに、こうした習慣や外的な影響をうけて、消化に重いものや大量の食事を摂取すると、胃への負担も大きく回復力を妨げます。
そして食べ物を消化しきることができず、身体に未消化物として残ってしまいます。
このような食生活が積み重なると、身体に毒素が溜まり不調となります。
これは食事に限ることではありません。
・忙しい合間の休日に、身体が疲れのサインを出しているのに、予定を詰め込んでしまう。
・疲れ目なのに、パソコンやスマートフォンを見続けてしまう。
・身体にいいと言われている健康法を、自分の体質には合わないのに続けてしまう。
など、社会の仕組みや情報の過多によって、現代の私たちはこうしたことが起こりやすい環境にいます。
(五感で味わう)
身体がサインを出しにくい状態であったり、自然への感謝の気持ちが湧きにくいと感じるとき、私は自然が豊かな場所に行きたくなります。
忙しくて時間がとれないときは、自然のエネルギーをたくさん感じられるような旬の新鮮な野菜で、「丁寧」に料理するように心がけています。
アーユルヴェーダの考える生命の構成には五感が含まれます。
料理を作り食べることは、分かりやすく五感を刺激します。
普段の料理はフードプロセッサーなど便利なキッチン道具をたくさん使って、できるだけ素早く・・・、と「丁寧」には程遠いのですが、たまの「丁寧な」食事作りでは、野菜ひとつを切るときも、包丁の切る音・叩く音を聞きながら刻みます。
食材の触感や、熱を加えることで強まる香り・色の変化、そして味を楽しむ、など五感でゆっくり味わいます。
そうして身体が元気になり、生命への感謝が湧き出やすくなります。
(身体の知性を呼び起こす)
身体が本来的に持っている「知性」は、自然の叡智です。
旬の野菜が、その季節の身体に必要な栄養素や味を持っているように、自然の法則と調和したものです。
そう考えると、自然のリズムからかけ離れ、自然を感じないものに囲まれた生活を続けていると、身体の「知性」の働きは鈍って当然です。
アーユルヴェーダは、宇宙の成り立ち、自然の法則、生命のあり方を教えてくれます。
そして、自然のリズムにそった生活法や、自然のエネルギーを感じることができるハーブやスパイスなどを使った健康法など、実践的な知恵がたくさんあります。
アーユルヴェーダのトリートメントで使用する薬草オイルにも、植物のエネルギーが満ちています。
そして人の温もりに溢れています。
身体の「知性」を呼び起こすアーユルヴェーダの知恵を日常に活かして、より本当の「自分らしい」幸せ輝く毎日を過ごしましょう。
ブラフ・ヤヨイ
(ガネーシャ ~ヨガ & アーユルヴェーダ~)
http://www.ayurveda-ganesha.jp/