(アヴィヤンガ・全身オイルトリートメント)
アヴィヤンガは、アーユルヴェーダの施術のひとつで、全身に温かい大量の薬用オイルを塗布し、浸透させるトリートメントです。
薬用オイルには、個人の体質や体調に合わせて調合されるハーブが用いられます。
本来のアヴィヤンガは、パンチャカルマの前処置として行われ、新陳代謝を活性化させ、身体の老廃物や不純物の排出を促す施術です。
パンチャカルマで行われるアヴィヤンガは2名上の施術者によって、身体の両側面から同時に行っていくことが多いですが、個人でのセルフケアやその補足的なボディケアとして1名で行うこともできます。
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訓練された施術者二人が、時間をかけて、全身のオイル・マッサージを行います。
オイル・マッサージのハーブ・オイルは、アーユルヴェーダ医師が個々人の体調やドーシャの状況を診断の上、適切なハーブを処方したものが使われます。
ハーブ・オイルは、マッサージによって皮膚から身体内に浸透し、ドーシャの働きを活性化させます。
温かいオイルとハーブ自体の皮膜によって、心身の状態は穏やかに鎮静化していきます。
オイルのベースとして使用される油の種類は、季節や個人の体質(ドーシャによって異なります)によりますが、一般的にはゴマ油やココナツ油、ヒマワリ油、マスタード、アーモンドなどが使われます。
尚、日常家庭で行われる個人でのセルフケアにおけるアヴィヤンガなどでは、ベース・オイルのみの使用でもよいとされています。
「アヴィヤンガ」は、サンスクリット語でアビヤーサ(繰り返す)と アンガ(手・足)を合わせた言葉で「滑らかなもの(手)で繰り返し擦る」「愛のこもった滑らかな手」等の意味があるとされます。
アヴィヤンガは基本的には全身へのオイルマッサージをいいますが、温めたハーブオイルを頭頂部に垂らして行うシロアヴィヤンガや、足裏やふくらはぎをケアを行うパーダアヴィヤンガなど、身体における各部位の状態に合わせて、様々な種類のトリートメントがあります。