アーユルヴェーダにおいて、ギーは油分の中で最もすぐれたものとして考えられ、様々な料理や食事療法に使われます。
古典医学書チャラカ・サンヒターでは、ギーの効能について以下のように説明されています。
「ギーは、消化の炎であるアグニを活性化させ、知力、消化力、精力、オージャス(活力)を高める効果がある。またヴァータ・ピッタ・カファを鎮静化させ、各ドーシャのバランスを取ることができるものである。解毒作用や解熱、疲労回復、滋養強壮(ラサヤナ)にも作用し、ギーはその用い方により無数の効果をあげることができる。」
また食用以外でも、マッサージ・オイルや外用薬としても使われる他、ギーはヴェーダの儀式においても用いられ、神像の沐浴や灯明、供物として捧げられます。
(ギーの作り方①)
材料:無塩バター 250~400g
(用意するもの)
・適当な容量の鍋(鋳物・ホーロー等の片手鍋など。アルミ製の鍋は避ける)
・クッキングペーパー(キッチンペーパー)
・ギーを入れる容器(耐熱ガラスのもの等)
無塩バターを固まりのまま鍋に入れ、火にかけてバターを溶かしていきます。
このとき鍋はあらかじめ温めておいた方がバターが溶けやすくなります。
(ギーの作り方②)
全体的に溶けてきたら、火を弱火にしていきます。
焦がさないよう時間をかけてゆっくりと加熱していきます。
バターが溶けてくると、タンパク質がわかれて表面に白い泡状のものが現れます。
また泡が出始めると焦げやすくなるので注意します。
(ギーの作り方③)
後に容器に移す際にクッキングペーパーで濾しますが、あらかじめ表面の大きいものは撹拌しないよう丁寧にすくいとっておきます。
加熱を続けると水分が無くなりはじめ、底から泡が上がり沸騰してきます。
火にかけてから30分程で、甘い香りがするようになり、全体が透明な黄金色になったら火を止めて容器に移します。
(ギーの作り方④)
バターが熱い間に、クッキングペーパー等で濾しながら、容器に移していきます。
これでギーの出来上がりです。
移したギーの容器は、ギーが完全に冷めるまでフタをしないようにします。
出来上がったギーは、常温・冷暗所で保管します。
ギーは、気温や保存状況・量にもよりますが、大体3ヶ月~半年を目安に使い切るようにします。