(パンチャカルマ)
パンチャカルマとは、アーユルヴェーダにおける代表的な浄化療法です。
パンチャカルマは、「5つ(パンチャ)」の方法で「行う(カルマ)」という意味で、その名の通り、身体の様々な未消化物・老廃物を5つの排泄法・排出法にて治療がなされていきます。
・ナスヤ(経鼻法)/鎖骨から上の過剰なカパを排出。
・ヴァマナ(催吐法)/主に上半身の過剰なカパを排出。
・ヴィレーチャナ(下剤法)/主に上半身の過剰なピッタを排出。
・ヴァスティ(浣腸法・瀉下法)/主に下半身の過剰なヴァータを排出。
・ラクタモークシャ(瀉血法)/悪化したピッタ(血液)を排出。
アーユルヴェーダのパンチャカルマは、心身に蓄積された毒素やストレスを効率的に排出し、本来の身体が持っている機能を毒素や老廃物を取り除くことによって回復させ、トリ・ドーシャ(ピッタ・ヴァータ・カファの3つのドーシャ)のバランスを取り戻していく治療方法です。
一般に、治療に要する日数は、急激な体調の変化による身体への負担を避ける意味でも10日~2週間程の期間をかけて行われ、使用されるハーブや薬草類などもそれぞれの体質や病状に合わせて調合されます。
(ウドワルタナ・パウダートリートメント)
ウドワルタナは複数の薬草の粉(パウダー)とオイルを用いたパウダー・トリートメントです。
パウダーとオイルの摩擦により、肌の表面の角質が取れ、皮膚の新陳代謝を促し、毛穴を開いて老廃物を排出させる働きがあります。
またウドワルタナは、皮下脂肪を低減させ、病気や産後などで弱った筋肉を引き締める効果も期待できるとされています。
薬草やハーブのパウダーを使用するウドワルタナでは、ゴマ油ベース等のオイルを併せて使用することで、過度の乾燥や摩擦によって肌を傷めないようにしています。
ハーブのパウダーが毛穴を開き、血管内の閉塞を取り除いて、細胞組織内の熱を高め、脂肪の代謝を刺激しながらハーブやオイルの成分を肌に浸透させていきます。
(ピリチリ・全身滴油トリートメント)
インドではマハラジャのトリートメントと言われる程の高価な薬草オイルを大量に使用するトリートメントです。
全身にとめどなくオイルを垂らし続けるトリートメントで、2名以上の施術者により、手や綿布を使用して、通常でも2~3リットル、多い時には20リットルもの薬草オイルを継続して流していきます。
通常は、5~10日間かけて行われる施術で、オイル風呂とも言われています。
身体全体に対するダーラともいわれる「ピリチリ」は、アーユルヴェーダにおいてはリウマチや関節炎、不眠症やうつ、神経衰弱、高血圧や四肢の衰弱、筋肉の痛みや痙攣、ヴァータの不均衡による体調不良などに効果があるとされています。
アーユルヴェーダ医療では、施術を受ける人の状態によって、シロダーラと組み合わせて行うことも少なくありません。