(キリ・ハーブボール温熱法)
キリは南インドのマラヤラム語で「(ひとまとめに)束ねる」という意味ですが、アーユルヴェーダの施術「キリ」も、その名の通り、処方に応じてハーブパウダーや薬草(葉)・施術用の特別な米を綿布で包んで(束ねて)作ったハーブボールを用いたトリートメントです。
ハーブボールは、薬草を煮詰めた煎じ薬や牛乳を沸騰させたもので加熱し、熱いハーブボールで成分を全身に塗布していきます。
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キリは、パンチャカルマの前処置(プールヴァカルマ)のひとつとして行われます。
布に包まれる中身は、アーユルヴェーダのハーブやスパイス、またこれらを粉状にしたものなど様々です。
「ハーバルボール」は蒸したり、あるいはオイルで熱するなどして、熱いまま身体に当ててマッサージしていきます。
アーユルヴェーダ療法としてのキリは、発汗を促し、肌の新陳代謝を活性化させることを目的とし、腫れや関節炎、関節痛などに効果的であるとされています。
キリは肌の新陳代謝を活性化させることから、アンチエイジングの効果も期待できると考えられています。
施術は、まず全身にオイルを塗布し軽くマッサージを行うことから始まり、施術を受ける人は木製のテーブルの上で身体を横にして横たわります。
顔と頭を除いた全身に、煮詰めた煎じ薬や牛乳のエキスを繰り返し塗布し、ハーブボールに染み込ませたエキスが無くなるまで行われます。
キリにはいくつかの種類があり、ハーブパウダーやハーブの葉を使用したエラ・キリや、ハーブパウダーを綿布の代わりにハーブの葉で縛って行うポディ・キリ、ボディアーユルヴェーダ療法専用の赤いお米「ナヴァラ・ライス」を用いたナヴァラ・キリ等があります。
ナヴァラキリは、ハーブボールに数種類のハーブとナヴァラ・ライスを包んだものを、牛乳や煎じ薬で煮込んで十分に加熱します。
ハーブボールで全身にエキスを塗布した後、マルマ・ポイントを中心として施術を行っていきます。