予防医学、代替医療、生活の中の食事法(医食同源)・健康法(ヨガ・オイルマッサージ・瞑想など)で注目されるインド・スリランカ伝統医学アーユルヴェーダの情報サイト「アーユルヴェーダライフ」
アーユルヴェーダ・インド、スリランカ伝統医学|アーユルヴェーダライフ(Ayurveda Life)
「生命の科学」ともいわれるインド・スリランカ伝統医学アーユルヴェーダ。予防医学・代替医療にとどまらず、高度な生命哲学としても注目されています。アーユルヴェーダでは、食事法(医食同源)・健康法(ヨガ・瞑想)といった日常生活に関わる内容から、「生命」そのものについてまでが語られています。
スリランカ・レポート/「インド洋の真珠」スリランカ、現地アーユルヴェーダ視察レポート

スリランカ・レポート/「インド洋の真珠」スリランカ、現地アーユルヴェーダ視察レポート
スリランカ、その自然の豊かさからも「インド洋の真珠」とも言われるこの国は、インド亜大陸の南東に位置する、青く美しいベンガル湾に浮かぶ島国です。

かつてはセイロンと呼ばれたスリランカ、その名は紅茶の代名詞としても知られています。

国民の多くが信仰心の厚い敬虔な仏教徒であり、アヌラーダプラ、ポロンナルワ、キャンディなど、スリランカ国内には世界遺産にも登録されている様々な仏教遺跡も存在します。
そして、スリランカはアーユルヴェーダが盛んな国としても有名になってきています。

アーユルヴェーダはインド発祥とされますが、スリランカには紀元前3世紀に仏教の教えと共に、アーユルヴェーダもまた伝来したといわれています。

もともとスリランカには「ヘラウェダカマ」と呼ばれる独自の伝統医療がありましたが、仏教の教えの拡がりと共に、インド伝来のアーユルヴェーダと融合し、現在のスリランカの特徴あるアーユルヴェーダの姿に発展してきたと考えられています。
その一方で、スリランカの伝統医療「ヘラウェダカマ」自体もまた、文化の継承という意味で大切に守られている一面もあります。

今回、インドだけでなく、スリランカのアーユルヴェーダにも大変関心を持ったアーユルヴェーダライフ管理人、まずはスリランカ現地のアーユルヴェーダ施設を訪問させていただいてきましたので、「スリランカ・レポート」としてご報告をさせていただきます。

※トップの写真は、マウントラヴィニアにあるシャンティランカ・アーユルヴェーダさん。

(小さい写真はクリックしていただくと、大きく表示されます)



治療に焦点をおいた治療センター/シャンティランカ・アーユルヴェーダ


スリランカの国際空港・バンダラナイケ国際空港から車で1時間30分ほど、シャンティランカ・アーユルヴェーダは、コロンボ市内からもっとも近いリゾート地域/マウントラヴィニアにあります。

シャンティランカ・アーユルヴェーダは、日本人の梅原さんが運営されているアーユルヴェーダ施設で、スリランカだけでなく大阪にもその拠点があります。

スリランカのシャンティランカ・アーユルヴェーダは、主にアーユルヴェーダ治療を希望される方向けの滞在型の療養施設であり、治療に当たられるアーユルヴェーダ医師の方々も、スリランカ国立コロンボ大学で活躍されている現役のドクターでいらっしゃいます。
また施設においては、治療のみならず、日本から「アーユルヴェーダを学びたい」と考えられている方々を受け入れる「アーユルヴェーダ・スクール」も開講されており、これまでにも多くの生徒さんがこちらを訪れています。

シャンティランカ・アーユルヴェーダでは、アーユルヴェーダ医師のコンサルテーションから治療プランが決まっていきますが、こちらは渡航前にスカイプによるコンサルティングも行うことが可能であり、短期間でも治療の効果を最大限に発揮できる工夫がなされています。

治療・施術は、症状や期間により、比較的短い期間でアヴィヤンガ(ボディ・マッサージ)やシロダーラ、ヨガの実践というメニューによって身体の活性化を促していくというケースから、短い場合は1週間程(この場合は、渡航前に日本での準備が必要です)、通常は2週間以上の時間を掛けて「パンチャカルマ(身体浄化法)」という、より具体的な本格的なアーユルヴェーダ治療が行われるケースなど内容は様々です。

また日本への帰国後においても、スカイプ等を用いたアーユルヴェーダ医師のコンサルテーションは行われ、国内においても継続したアーユルヴェーダの実践が行えるようサポートされています。
マウントラヴィニアにあるシャンティランカ・アーユルヴェーダは、インド洋を望むビーチサイドにあり、大変ロケーションに恵まれた美しい環境です。

建物は瀟洒な3階建てのヴィラ形式で、静かな中庭に面するリビングは、1階から3階まで続く吹き抜けとなっており、南アジアの雰囲気が色濃く漂う素敵な空間が広がります。

本館とは別に、中庭を望むスペースに設けられたアーユルヴェーダの施術スペースは3つ。

それぞれにアヴィヤンガやシロダーラといった油剤法の施術が行える設備が整っており、発汗法を行うためのスリランカの伝統的なスチームバスも用意されています。

建物1階には、滞在される方が集うリビングスペースが中央におかれ、上階へのステップ、診察スペースや治療のための施術エリアへの連絡があります。

2・3階は滞在される方の居室やフリースペースが用意されており、翌日のプランの打合せやちょっとしたアーユルヴェーダの学習なども行えるようになっています。

3階のステップをあがると屋上があり、シャンティランカ・アーユルヴェーダのすぐ前のインド洋のビーチが望めます。

海からの潮の香りかおる爽やかな風にあたっていると、それだけで、なんだか体調の悪いところなんかすっかりどこかに行ってしまうような気もします。

またシャンティランカ・アーユルヴェーダでは、施術に使われる煎じ薬などはアーユルヴェーダ医師の指導のもと施設内で作られます。

アーユルヴェーダのオイルについても、治療を受けられる方に応じて、アーユルヴェーダ医師ご自身が調合されたり、治療で使われるオイルを作られる製薬工場に依頼したりと、とても専門的にご用意をされています

施設で提供いただく食事も全て、アーユルヴェーダの考え方に則ったオリジナル・メニューが用意されます。

施設を訪問させて頂いたタイミングは、ちょうどランチタイム時にて、スリランカのスタッフの皆さんが滞在されている方に向けた、様々なアーユルヴェーダ料理をビュッフェ形式で準備をされていました。
「治療に来られる方が第一」、そんな想いに溢れる、とても一生懸命に施設で働かれているスリランカのスタッフの皆さんを見ていると、ふとシャンティランカ・アーユルヴェーダのコンサルティング・ドクター、アブドゥル・ハサン・モハメド・マウジュード先生のお話が思い出されました。

「本来のアーユルヴェーダは、医療だけでなく、現代科学を超えた膨大な知識の結集だと言えます」
「しかし、現在スリランカやインドで実践されているアーユルヴェーダは、人々の健康に関する領域に焦点が当てられています」

「アーユルヴェーダは、人が健康で幸せに人生を全うするための智慧を説いている学問です」

「人が病気になったとき、投薬や手術などの対症療法で治療するのではなく、『生き方』そのものを見つめ直すことで、病気のもと、それ自体を断つという考え方こそが『アーユルヴェーダ』です」

ハサン先生がお話されるようなアーユルヴェーダに対する理念やコンセプトを、具体的な形で治療施設として、そしてサービスとして提供されているシャンティランカ・アーユルヴェーダ。

人を癒す、医療としてのアーユルヴェーダをあらためて思い返させていただいた施設見学になりました。


(シャンティランカ・アーユルヴェーダ/スリランカ治療センター)
No.4A, Wedikanda Road, Mt.Lavinia, Sri Lanka
TEL : 011-2738207
https://shanthilanka.jimdo.com/


豊かな自然に囲まれたアーユルヴェーダ・スパ&リゾート/カルナカララ


今回のスリランカ現地のアーユルヴェーダ施設訪問ツアーで訪れた、もうひとつのアーユルヴェーダ施設が「カルナカララ」。

海岸都市ネゴンボに位置し、バンダラナイケ国際空港からも12キロと大変便利なロケーションにありながら、豊かな森林に囲まれ、穏やかに流れるマ・オヤ川の水辺に佇む、アーユルヴェーダ・スパ&リゾートです。
広大な敷地内には、17棟のコテージからなるホテル・エリアをはじめ、アーユルヴェーダ・スパ施設からヨガ・ホール、アーユルヴェーダ医師による問診が行われる診察所が建てられています。

「カルナカララ」は、緑と水が豊かな環境の中で、アーユルヴェーダやヨガを中心に心身を癒し、スリランカの自然と文化を体感しながら滞在してもらう、ウェルネス・リゾートです。
大きなゲートに併設されるレセプションでは、様々なアーユルヴェーダやヨガの書籍と、ハーバル・ティーでゲストをお出迎え。

レセプション前の大きなガラスの向こう側には、美しいスリランカの緑の中に、ニームの木でデザインされているというコテージがいくつも見える風景が広がっていて、ゲストのリゾートへの期待感をいやおうなしに高めます。

到着後、今回の訪問についてのご説明とご挨拶をすませると、施設の案内をしてくださるジャニさんとニシャンさんが先導くださり、いよいよ、リゾートの敷地の中に向かいます。
まだ昨年・2016年にオープンしたばかりというリゾートは、建物はもちろん、各コテージへと向かう小さな道にいたるまで、とても綺麗に整備されていてます。
聞けば、施設の運営は日本にも関わりのある団体とのこと、細やかな配慮の理由も頷けました。

少し歩くと、ジャニさんがコテージのひとつに案内くださいます。

コテージは、チーク材の家具やニームの木がふんだんに使われ、やわらかい木の香りが漂う素敵な造りになっています。

もちろん客室内には全てトイレとシャワーも完備されており、スリランカの自然豊かな環境にありながら、快適なリゾートライフを味わうことが出来ます。

いくつかのコテージを抜けると、静かな流れをたたえるマ・オヤ川の水辺に出ます。

マ・オヤ川の川沿いには、アーユルヴェーダのスパ施設とレストラン棟、そしてアーユルヴェーダ医師の問診が行われる診察所があります。

ふと、川沿いの遊歩道に目をやると、歩道にはなにやら小さな石が埋め込まれています。
不思議そうに石を眺めていると、案内をしてくれているジャニさんが嬉しそうに「これはね、散歩しながら足裏がマッサージできるんですよ~」と教えてくれます。

なるほど、ホントに細かいところまで考えられています。
日本のホテルにも劣らぬ気配りの細やかさに、スリランカに対する印象もだいぶ変わってきました。

アーユルヴェーダ・スパ施設を訪れる前に、アーユルヴェーダ医師に会ってほしいとのことで、川沿いにある診察所に向かいます。

こちらの診察所には、ドクターによる問診が行われるカウンセリング・ルーム、そして先述のアーユルヴェーダ・スパ施設とは別に、ドクターの診察を基に行われる「パンチャカルマ」の施術スペースも設けられています。

「カルナカララ」では、専属のアーユルヴェーダ医師が在籍されており、必要に応じて本格的なアーユルヴェーダ診療を行うことも可能です。

またこちらの建物には、施術の際にゲストに使われるアーユルヴェーダのグッズも作る施設まで整えられており、グッズを作るための様々な設備や道具も拝見させていただきました。
さらに診察所の裏には、アーユルヴェーダのハーブ農園まで用意されていて、アーユルヴェーダ・スパ&リゾートとは言いながら、ちょっとしたアーユルヴェーダ・クリニックといってもよいくらいの充実ぶりに驚きました。

カウンセリング・ルームに戻り、アーユルヴェーダ診療についてドクターと少しお話をさせていただいて、アーユルヴェーダ・スパ施設に移動することにします。

この途中、診察所前のお庭の御釈迦様に、ドクターが手を合わせる場面があったのですが、それを見てアーユルヴェーダライフ管理人「ああ、ここはインドではなく、スリランカなんだな~」と感慨深く思います。

アーユルヴェーダはインド発祥とされますが、スリランカには紀元前3世紀に仏教の教えと一緒に、伝来したといわれています。
スリランカは仏教信仰が篤い国ですが、スリランカのアーユルヴェーダ医師の方々とお話しをさせて頂いている中で、スリランカにおけるアーユルヴェーダにも、そうした仏教思想が取り入れられているところもあるのかなと思うときがあります。

アーユルヴェーダでは、その思想や考え方の基本は変わりませんが、人々の住む土地や地域に適した生活様式や食生活を大切にするよう説かれていますから、スリランカにおけるアーユルヴェーダにも多少のオリジナリティは現れると思いますし、それはそれで大変興味深いものでもあります。
アーユルヴェーダ・スパ施設はマ・オヤ川の川沿いに建てられていて、その川辺に面した開放的な施術スペースからは、ゲストは静かな川の流れを望みながらトリートメントが受けられるという、大変贅沢な空間となっています。

またこちらのアーユルヴェーダ・スパ施設では、アーユルヴェーダ医師の指導のもとでの施術も行われ、リラクゼーションに留まらない、本格的なアーユルヴェーダ・トリートメントを体験できます。
5~6つ程はあろうかと思われる施術スペースに加え、スチームバスやハーブバスの専用ルームも設けられており、スパ専属のセラピストの方々もたくさんおられます。

「アーユルヴェーダ施術の際は、アーユルヴェーダ医師とセラピストとのチームワークはとても大切」とのドクターのお言葉。

「カルナカララ」を後にする間際に皆さんを撮らせていただいた折、ドクターとセラピストの方々が本当に楽しそうにされていたのが大変印象的でした。

次回、スリランカを訪れる際には、是非「カルナカララ」に滞在してみたいと、アーユルヴェーダライフ管理人心からそう思いました。


(Karunakarala Ayurveda Spa & Resort )
Jesu Nasarenu Mawatha
Thoppu Thota, Waikkal, Sri Lanka
http://karunakarala.com/sparesort/



今回のスリランカ・アーユルヴェーダ視察旅行は、本当に短い期間の中で駆け足で回ってきましたが、スリランカには、まだまだたくさんのアーユルヴェーダ医療施設やスパ施設があります。
これらについても、また次回のスリランカ・ツアーの中で訪れてみたいと思っています。

またこの「スリランカ・レポート」にご興味を抱かれ、「スリランカのアーユルヴェーダ治療に関心がある」「スリランカでアーユルヴェーダの勉強をしてみたい」と思われる方がいらっしゃいましたら、ご要望に応じてアーユルヴェーダライフ管理人からもう少し詳しい現地の状況のご説明も致します。
ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。


(取材協力)
 シャンティランカ・アーユルヴェーダ
 http://www.shanthilanka.jp/

(シャンティランカ・アーユルヴェーダについて)
シャンティランカ・アーユルヴェーダは、スリランカと大阪にあるアーユルヴェーダカレッジです。
スリランカ現地でのアーユルヴェーダ治療、またスリランカ・大阪におけるアーユルヴェーダのスクールを開講されています。
大阪・南森町にあるアーユルヴェーダサロンでは、国立コロンボ大学留学コースで認定を受けたベテラン・セラピストがアーユルヴェーダを提供しています。
サロンでは、スリランカのアーユルヴェーダ・ドクターからのアドバイスも受けることも可能です。



 アーユルヴェーダサロン・カルナカララ
 http://www.karunakarala.com/spa/

(アーユルヴェーダサロン・カルナカララについて)
「カルナカララ」は、東京では東急東横線・代官山にて、スリランカ・アーユルヴェーダのサロンを行われています。
代官山のアーユルヴェーダサロンにも、アーユルヴェーダドクターが常駐されており、アーユルヴェーダのトリートメント等の前に、様々なアドバイスをいただけます。
またヘナによるヘッドマッサージや頭皮ケア、関連する各種サービスもご提供されています。




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