9つの惑星は星座に在住することで、他の位置の星座や惑星に影響を与えていきます。
このような惑星からの影響をインド占星術では「ドリシティ」と呼んでいます。
全ての惑星(ラーフとケートゥは除くという説もありますが)は、その惑星が在住する星座から数えて7番目の星座に完全なドリシティを与えます。
これは180度反対にある星座(ハウス)とそれに在住している惑星の両方に影響を与えます。
西洋占星術のアスペクトに似ていますが、インド占星術では惑星間の角度ではなく、また影響を与える星座(ハウス)に惑星が在住していなくてもハウス自体に影響を与えるという点が異なります。
この惑星からの影響自体に西洋占星術のような(アスペクトの)吉凶はありません。
インド占星術における惑星からの影響の良し悪しは、その惑星が吉星(機能的吉星・生来的吉星)なのか凶星(機能的凶星・生来的凶星)なのかによって決まっていきます。
7番目の星座に対するドリシティは全ての惑星に共通しますが、これらとは別に、火星・木星・土星には特別なドリシティが存在します。
そしてこの特別なドリシティは、7番目のドリシティと同じ強さの影響力があります。
火星は、他の惑星と共通する7番目のドリシティに加えて、それが在住する星座から数えて4番目と8番目の星座にドリシティを与えます。
木星は、他の惑星と共通する7番目のドリシティに加えて、それが在住する星座から数えて5番目と9番目の星座にドリシティを与えます。
土星は、他の惑星と共通する7番目のドリシティに加えて、それが在住する星座から数えて3番目と10番目の星座にドリシティを与えます。
2つの惑星が、それぞれ180度反対の星座に在住し互いにドリシティをしている場合、あるいは特別なドリシティを互いにしている場合(火星と土星の場合のみ)など、相互的なドリシティと呼んでいます。
2つ以上の惑星が同じ星座に入っているとき、それらの惑星は互いに影響しあい、占星術では「コンジャンクション(接合)」と呼んでいます。
2つの星座の支配星が互いに相手の星座に入っている状態を「星座交換」と呼んでいます。
例えば、牡羊座の支配星である火星が牡牛座に入り、牡牛座の支配星である金星が牡羊座に入っている場合などです。
星座交換が行われると、それぞれの惑星は自分の支配星座に在住しているような強さを発揮します。